野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ヒトと動物の関係学会

麻布大学でのヒトと動物の関係学会第12回学術大会に参加し、ズーラシアの長倉かすみさんと発表をしてきました。野村幸弘さんは岐阜大学の卒業式があったために欠席。残念。

いろんな演題がありました。「動物介在教育における動物種別のふれあい効果の検討について」、「馬が引き出す広汎性発達障害児への療育効果」、「脳性麻痺児の乗馬による身体機能および日常動作の改善」、「ペットの死別にともなう悲嘆過程ー予期的な悲嘆と長期的視点を含めた質的検討」、「死後の追悼にみるペットと家族」、「人魚と人の生活史その1−Dugongをめぐる食文化」など。

長倉さんの発表は、「ズーラシアの音楽から見えた動物園の新しい意義」という演題でした。多摩動物公園の飼育課長の石田さんは、動物園でいろいろ新しいことを仕掛けてこられた方のようで、これまでに動物にクラシック音楽を聴かせることを数回試みたらしく、でも、うまくいかなかったらしい。でも、多摩動物公園のオランウータンは、ハーモニカを吹くらしい。石田さんは彼のポリシーとして、多摩動物公園で、「教える」ことをしないらしく、オランウータンにいろんなものを与えてみるが、オランウータンが自分自身で用途を発見していくらしい。だから、ぼくが行って、オランウータンにこんな楽器を与えてみたら、どんなことになるだろう?なんてことがあったら、試してみれそう。

ズーラシアの園長の増井さんは、獣医さんで、その後、上野動物園多摩動物公園の園長をされた方で、本当に動物のことが好きな方だ。ドラミングをするチンパンジーの話や、ゴリラや馬の鼻歌とか、以前、島田の水族館でアシカと飼育係がワルツに合わせて泳いだ話など、教えてくれた。

石田さんや増井さんが、「ズーラシアの音楽」を見ての感想で、初対面でシシオザルがあんな反応をするのは、あり得ない。普通は外部の人が来たら威嚇する。あなたは、動物に警戒心を与えない何かを持っている、と言われた。

その他、いろんな出会いがありました。これから、オランウータンと色々やりたいな。楽しみだ。