野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

2つのオルガンスープ

東京芸大で、弦楽四重奏のリハーサル。松原勝也さんの研究室で。まずは、牛島安希子さん編曲の「オルガンスープⅡ」。この曲は、もとはオルガンの作品だったのを、今回のために牛島さんに編曲してもらった。編曲というより作曲に近く、原曲から随分変化をとげている。今日、初めて音になったのを聴いた。スコアを見たときから、唐突に入ってくる「味噌ラーメン」のメロディーに爆笑したけど、実際に聞いてみて分かっちゃいるけど、やっぱり笑ってしまった。松原さんが絶妙のニュアンスで入ってくるから。この曲、意外に難しい曲みたいで、結構、練習に時間を要した。

それから、「アートサーカス」を少し。前回の練習で気になったところを、今日来る前にスコア見ながら一度言葉にしてみたので、演奏家に伝えたいことは、一応、全部伝えられました。いい感じに仕上がっていきそうです。世界初演は3月22日です。

それから、大急ぎで、池袋の東京芸術劇場へ。新山恵理さんによるオルガンランチタイムコンサートで、「オルガンスープ」が再演。これが、みなとみらいホールでの初演とも、サントリーホールでの再演とも違って、オルガンが変わると音色が違うし、新山さんの演奏も違うし、また新鮮な気分で楽しめました。

尾引さんによると、「みそラーメン」の時に、肩をゆすって笑っている人が何人もいたそうです。オルガンのコンサートで、こんな光景はない革命的な一日と新山さんも喜んでくださいました。芸術劇場ともオルガン曲を作るようなプロジェクトができてもいいな、などとスタッフの方ともお話を少しして、次なるリハーサル会場に駆け足で向かいました。