野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

オルガンスープ

3月22日のコンサートで初演される弦楽四重奏版の「オルガンスープ」の編曲譜面(牛島安希子編曲)が届いた。「オルガンスープ」という曲は、2005年4月に横浜みなとみらいホールで行った小学生とのワークショップを素材に野村誠が作曲した曲で、7月に新山恵理さんが同ホールで初演したオルガン曲。10月にはサントリーホールで再演され、3月16日には、池袋の東京芸術劇場でも再演される。で、その曲の弦楽四重奏アレンジを牛島さんにお願いしていた。

牛島さんは、愛知県芸の大学院で作曲を勉強した人で、ぼくの作品をいろいろ聴いてくれていて、昨年の「オルガンスープ」の初演にも名古屋からわざわざ横浜まで聴きに来ていてくれていた。

で、今日、スコアが届いた。最初の2ページこそ、ほぼ原曲通りですが、メドレー風に原曲の色んな場面をつないであり、かなり印象の変わっているところが多いので、原曲を知っている人も知らない人もお薦めです。途中で、ソルボンヌクラシナーが沖縄風のノリノリのリズムにのって出てきたり、最後は感動的なミソラーメンになったり。

ということで、皆さん3月16日のランチタイムに池袋で新山恵理さんの演奏で「オルガンスープ」の原曲を聴いて、そして、3月22日は牛島さんアレンジの「オルガンスープ」を聴きに来て下さい。2倍楽しめますよ。

で、昨夜、「ズーラシア」の作曲をしようと思ったのだけど、気が乗らず、寝てしまった。今朝、「オルガンスープ」が届いたので、また、違った気分で曲を書こうと思います。

それにしても、作曲した作品が、また別の作曲家の手を通って変形していくプロセスは楽しい。「ワニバレエ」にしても、「オルガンスープ」にしても。牛島さんの「オルガンスープ」をまた別の作曲家が編曲したら、もっと違った音楽になっていくかもしれない。例えば、しばてつ編曲の鍵ハモアンサンブルになるとか。次のプロジェクトを考えようっと。

そう考えたら、この弦楽四重奏版は「オルガンスープⅡ」というタイトルにした方がいいような気がしてきた。