野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

あと3人

18人の子どもの作った譜面から抽出して、付け加えたり、変形させたりしながら、書いている弦楽四重奏「アートサーカス」。18人のうち15人までは、それぞれの素材がしっかり登場した。残すところは、あと3人。

今日、作業をしていたのは、ダニエル・ビュランの旗をモチーフにした部分。旗の三角形の形が格子状につまっている様子を五線紙の上に書いて、それから音符にしているようだ。

あの旗は延々と続いていたから、このモチーフはちょっとしつこく続けようと思う。

昨夜、作業していたチェロの子のフレーズが、突然ト音記号の上の方に行ったら、すぐまたヘ音記号に行ったり、急にピチカートが入ったり、気まぐれに♭が付いてたりして、ある意味ランダムに近いので、そこにどうやって特徴を見出すか、ということで、作業していた。なんだか、ヒンデミットシェーンベルクの12音音楽を無理矢理に調性音楽のように分析するような作業のような気もしてしまいながら・・・。今日の子は、臨時記号なしで、しかも三角形の格子状に並ぶ音形なので、跳躍も含めて、かなり法則性がある。昨日の作業と別世界だなぁ。

ま、そういう色んなものがあるのが、アートサーカスなんですね。

これで、あと3人=「車の音楽」(グリッサンド中心の車のノイズを模した曲)、「チェロ・カデンツ」(これまた、ランダムに近い音が飛びまくり)、「冬の海」(作曲をしている中学生の書いたいわゆる曲っぽい曲)