野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

アートサーカス完成に向かって

みなとみらいホールでのワークショップでボランティアスタッフをしてくれた知人に、現時点での弦楽四重奏「アートサーカス」の作曲の経緯を説明し、「どうして、このフレーズがでてきたか、って言うと、こっちのフレーズがブランコの主題だったみたいだから、他にブランコで作曲した子がいないかな?と探して・・・」とひとしきり説明。
で、まだメインで登場していない子どもが5人いて、それが、どう登場するかを雑談しながら、考えたら、次のことが明らかに!

まず、車をテーマに作曲した子がいた。その子は駐車場がサーカスには重要だと主張していたらしい。では、車は展覧会に行く前か、行った後に乗るのか、展覧会の中?でも、展覧会場では車に乗らないよな、と思っていたら、展覧会場でタクシー運転手のパフォーマンスをしているタニシKさんがいたことを思い出した。だから、この主題は展覧会の中。

別の子どもの書いた主題は、何の絵がもとなのかが分からなかったが、よくよく喋りながら見たところ、これはダニエル・ビュランの旗であり、さらには風を表している曲なのだということが推測された。だから、風の曲が必要。

風とともに、旗の向こうにあった冬の海をテーマに曲を作っていた子どももいた。だから、冬の海と風は、近くに配置されるべきだろう。

そして、チェロの超高速の超絶技巧の難曲を書いた子がいる。これと、サッカーゲームでスーパーテクニックでシュートを決める場面が重なった。

あと、エンドロールのような曲を作って欲しいけど、内容は野村先生に任せると、ヴィオラ班の子どもと松原勝也さんがビデオで語り合っていた。探しているうちに、色んな絵が均等に記号のように並んでいる絵を描いていた子どもがチェロ班にいた。これこそ、エンドロールに近い。

ということで、明日から、どうやって作曲をしていけばいいか、方針が明確になりました。