野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

遠藤誠津子先生

遠藤誠津子先生から電話があった。ぼくが小学校3年生のころ、たまたま通った音楽教室の先生をしていたのが遠藤先生で、ぼくはこの先生との会話から、本当に多くのことを学んだ。この先生は、子どもに対するときも、子ども扱いせずに、自分の考えを正直に言う人だった。当時発売になったばかりの「林光ピアノの本」とか、バルトークとか、日本の音楽の音階はどうなっているかとか、ベートーヴェンが当時の音楽の常識をどんなに覆してきたかとか、色んなことをぼくに伝えてくれた。でも、一番印象に残っているのは、現代音楽はこんなに難解になってしまって、聴衆が離れてしまっている、この問題をどうしたらいいか、ということを、独り言のように言われ、当時小学生だったぼくは、現代音楽が一体何かも分かっていないのに、このことを真剣に考えた。しかし、誕生会の最中だったので、明日改めてお話することにした。「たぬきときつね」が合唱曲になる話をしなくっちゃ。