野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

マザー/ルーマニア協奏曲

映画館に出かけた。映画「イサドラの子どもたち」を見る。ここで言うイサドラとは、モダンダンスの祖と言われるイサドラ・ダンカンのこと。彼女の「マザー」という作品に現代のダンサーが対峙する、という映画。イサドラ・ダンカンの舞踊譜が残っていて、それが下から上に向かって書かれているのが、印象的。4人が、それぞれのアプローチでイサドラに迫ろうとしているが、もし、「マザー」に山下残が取り組んだら?、ミロト・マルティナスが取り組んだら?、森田かずよが取り組んだら?、などと想像すると、もっと色々なイサドラの解釈はあり得るんだろうな、とダンスの可能性や多様性を思った。でも、イサドラ・ダンカンがどんなダンサーだったのだろう?

 

本日、「世界のしょうない音楽ワークショップ」(オンライン)の2回目。例年120分かけて行なっているプログラムを、60分で行うため、忙しく、かなり入念に準備しないと時間のロスが出てしまう。

 

18:30-18:35  挨拶などをチャットに書き込んで後、前回のワークショップで各グループが作った曲をメドレーにして、野村がピアノで演奏して紹介。

18:35-18:45  身の回りにある物や楽器をみんなで演奏。弦楽器だけ、管楽器だけ、打楽器や楽器じゃないものだけ、鍵盤楽器だけ、全員で、など。

18:45-18:50  日本センチュリー交響楽団のヴァイオリンの巖埼友美さん、ヴィオラの森亜紀子さん、クラリネットの吉岡奏絵さん、ヴァイオリンの小川和代さんに楽器を紹介してもらう。

18:50-18:56 今日のテーマはルーマニア。日本センチュリー交響楽団定期演奏会リゲティ作曲「ルーマニア協奏曲」を演奏する。この協奏曲の中に出てくる音階を、センチュリー響の演奏家が教えてくれたが、実は、この音階は、前回の箏の平調子の音階に2音を加えた7音に見えるので、「さくら」に2音を追加してルーマニア風「さくら」を野村がピアノで弾いてみる。ノリノリで体を動かして聞いてくれる人もいて嬉しい。

18:56-19:04 みんなでチャットに1−7の数字を書いて、この7音音階で作曲。それを野村が五線譜に書き写して、センチュリー響の演奏家に演奏してもらう。

19:04-19:07 グループに分かれて行う活動の説明。ルーマニア風の音楽を作曲してもらうことに。

19:07-19:22 6つのグループに分かれて創作。ガムランの小林先生、ヴィオラダガンバの上田先生と一緒のグループ1、邦楽の菊武先生や音楽学の井口先生と一緒のグループ2、クラリネットの吉岡さんと一緒のグループ3、ヴァイオリニストの小川さんと一緒のグループ4、シタールの田中先生と一緒のグループ5、ヴィオラの森さん尺八の饗庭さんと一緒のグループ6。ぼくは、それぞれのブレイクアウトルームを回っていくが、どこも面白い曲を楽しげに作っていた。

19:22-19:35  6グループの発表。参加者の人でも、トランペットや鍵盤ハーモニカや民族楽器など、いろいろな楽器も登場し、グループごとの個性があって面白い上に、どれも不思議なルーマニア感が出ていた。

19:35-19:45  次回はインドです。時間がないので、日本センチュリー響の演奏家の方が用意したルーマニアハンガリーオーストリアの音楽の旅の動画を各自見ておいてください、のお知らせ。時間のある方は感想など、チャットに書いてください。と言いながら、徐々にみなさん、退出。名残惜しく残っている人もちらほら。        

 

ということで、色々駆使して、なんとか60分を若干オーバーするくらいの時間で開催できた。音階を書いたメモなどを画面共有で出せれば、もっとスムーズに進行できたので、次回は、もう少しテキパキと進められそう。初回が邦楽で、2回目が西洋音楽ルーマニア、次回3回目はインド音楽。コロナで海外旅行が制限されている時代だからこそ、オンラインで音楽で世界を巡る体験は、ワクワクするなぁ。