野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

冬のズーラシア

よこはま動物園「ズーラシア」へ行く。11月に行ったワークショップ「弦楽四重奏曲をつくろう」の大人プロジェクト「動物園で作曲」の参加者が定員20名に対して、5名だったので、集まった曲の素材が少なく、これだけだと作曲するための素材が少ない、と思い、もう一度、動物園を訪ね、ワークショップ参加者の人がピックアップした動物を観察することにした。

とにかく外なので、寒かった。動物たちも寒そう。だから、11月と違って、動きが断然緩慢。シロフクロウの首を動かすタイミングを数えて、紙に書き出したり、それなりに収穫もあったけど、ぼくが見たいと思うものはあまり見れなかった。そういう意味で、こちらの期待に全くあわせてくれないところが、さすがは動物だと思った。

というわけで、3月22日に、2つの弦楽四重奏を初演する。一つは「アートサーカス」。これは、20人近くの子どもたちが作った様々な素材があるので、横浜トリエンナーレという大掛かりな展覧会のざわざわ感のある曲はつくれる。もう一つの「ズーラシア」が、5人分の素材しかないから、ズーラシアという巨大な動物園の曲というより、動物園の一部みたいになりそうで、動物が足りない、素材が足りない、と改めて思った。横浜トリエンナーレで発表した映像作品「ズーラシアの音楽」からも抜粋で、この弦楽四重奏曲に盛り込もうかな、と思い始めた。そうすると、コンセプトがぼけるか、それとも、色んな動物がいる感じが出せるか。

あと、3月22日のコンサートタイトルも、考え中。「弦楽四重奏」とか書くと、クラシックの聴衆だけに限定してしまうような気がする。ぼくの音楽を聴きたい聴衆、ぼくの音楽を気に入ってくれる聴衆に、どうやってアクセスできるか、良いタイトルが欲しい。コンサートタイトルを

「アートサーカス・ズーラシア

としようかな、と思っている。サブタイトルとして、「横浜うまれ」、「音楽会」、「野村誠」などのキーワードを入れればいいのだろうか?もう少し、考えます。