野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

弦楽四重奏曲「アートサーカス」、「ズーラシア」の音源を聴いて思う

2006年に、弦楽四重奏曲を2曲作曲した。1曲目が「アートサーカス」という曲で、15分近い長い曲。小学生と横浜トリエンナーレ2005を訪ねて、その様子をもとに、子どもたちに、アイディアをスケッチしてもらった。そのスケッチを、子どもたちと音楽家で、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのモチーフにしていって、それを組み合わせて野村が作曲したのが、「アートサーカス」。今でも、コンサートの録音をよく聞く。演奏家の権利があるから公開できないのだが、この曲の譜面や音源が公開できる状況をつくり、他の人にも聞いてもらいたいなぁ、と思う。弦楽四重奏曲第2番は、「ズーラシア」という曲で、1)フンボルトペンギン、2)シロフクロウ、3)テーマとなんちゃって変奏、4)エミュー、5)レエロレロ、6)セスジキノボリカンガルー、という短い6曲から成る。これは、動物園で行った大人のためのワークショップをもとに作曲した。これも、自分で家で聞いて楽しんでいる以外に、他の人に聞いてもらえる機会がない。音源や楽譜を公開できるようにしたい。

 

そもそも、こうした作曲作品の音源は、ほとんど野村が個人で持っている秘蔵音源で、そうした秘蔵音源を聞く会とかも、聞きたい人がいれば、開催したい。

 

2015年に出した「音楽の未来を作曲する」という本のあとがきに、

 

未発表の音源を聴いてみたければ、未出版の楽譜を演奏してみたければ、直接、ぼくに問い合わせてみるのも良いと思います。

 

と書いた。しかし、野村の作曲作品の譜面を見たいとか、音源が聞いてみたい、という問い合わせが殺到することもないし、問い合わせが滅多に来ない。それは、本当に寂しい。とりあえず、ここで、寂しいと書いてみる。この状況をどうやって打破していいのか、わからない。何か、アドバイスもらえる人がいたら、教えてください。