野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

インプロゲーム

ローソンへ。ローソンは郵パックもやってるし、コピー機の性能もいいので。えずこホールへ送る譜面をコピー、それから、ピアニストの岡野勇仁くんに送る「似顔曲みやざきくん」の譜面をコピー、そして、マザーアースに送る楽譜の校正を発送。なんだか、楽譜ばっかりで、普通の作曲家みたいだなぁ、と心の中でツッコミを入れる。五線紙に音符を書いてばかりいると視力が落ちてきて、近眼になって眼鏡が必要になるのが嫌なので、我が家のアチコチには視力検査表がはってあって、ある程度視力が下がったら、音符を書かないようにしている。あの狭い線の間に、音符を書き入れていたら、絶対に目が悪くなる。でも、眼鏡をかけるのは、なぜかスゴク嫌なのだ。以前、試しに友達の眼鏡を借りてかけてみたら、片岡祐介さんが、
「なんか、キャラ変わりますね。やな感じ。野村さん、眼鏡かけない方がいいですよ。」
と言った。というわけで、自分の仕事の半分くらいは、五線にかかない作曲にしたいと思ってる、って書いたら、そんな理由かい!、って突っ込まれるだろうな、と思いながら、家に戻る。もちろん、他にも色んな理由があるんだけど。

絹川友梨さんの「インプロゲーム 身体表現の即興ワークショップ」(晩成書房)を購入。全部で344ページもある大著。目次だけで、8ページを使っていて、しかも3種類の目次がある。こんな変わった目次、初めて。「総合目次」と「ゲーム目次」と「解説・TOPIC目次」があり、巻末には「ゲームさくいん」があるけど、結局、どれを見ても全貌がよく分からない複雑に入り組んだ迷宮のような本。「ウォーミングアップ・ゲーム」が第6章にあるのに、第1章から、「ウォーミングアップ・ゲーム」が何度も登場したりする、本当に不思議な構造の本だ。そういう意味でも、この本自体が面白い劇場空間になっている。

ジブリッシュ」っていう用語があって、デタラメに喋ることを、こう名前をつけているみたい。これなんか、音楽そのもの、って感じ。「問題点を解決しよう」の章で、「特定のプレイヤーがしゃべりすぎてしまう・・・」の解決法を読めば、ちょっと「しょうぎ作曲」を思い出したりする。「コーチのこころえ」を読むと、SMEPの卒論を思い出す。でも、SMEPの方が一歩進んでいるような感じだけど・・・。

こういったゲームは、一緒に遊んでくれる友達がいないとできないから、今度、誰かと遊んでもらおう。それにしても、こんな分厚い本になるくらい、いくらでもゲームはあるんだなぁ。

それで、マリンバとピアノのデュオを作曲するか、ってことで、書き始める。これも、インプロっぽい曲、インプロのエッセンスがつまった曲にしたいなぁ、と漠然と感じながら、7小節だけ書いて、自画自賛。一人で密やかに「いいねいいねプロジェクト」をする。