野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

震災10周年

神戸の地震から、今日で10年なんだなぁ。ってことは、杉岡正章鶴くんが、誕生日だ。出産祝いを兼ねて、奈良まで訪ねて行きたいのに、なかなか時間がとれないなぁ。今月は、色んな〆切が重なってる。

10年前の地震の日、ぼくはイギリスのヨークにいた。ヨーク大学の音楽学部のオフィスから、神戸の島袋にファックスを送ろうとしたら、送信できない。そんな時に、民族音楽学のニールがやって来て、
「日本で地震があった。東京でも、京都でもない、聞いたことない名前だったなぁ。」
って、言っていた。日本に電話を試みるが通じない。その日は、ヒュー・ナンキヴェルの家に行って、そこでテレビを見たら、燃える神戸が画面にあった。この日は、どうにも気分がおさまらず、ぼくはアルコールはダメなのだが、パブに行ってビールを飲んだ。頭が痛くなるだけで、何もいいことがなかった。これが、ぼくの人生で最後に飲んだビールだ。

3年前の今日、神戸の小学校に演奏に行った。その晩は、演奏した山辺義大さん、片岡祐介さん、片岡由紀さん、今尾真琴さん、そして、コーディネートの堤康彦さん、それにアサヒビール河村めぐみさんも、ぼくの家に泊まりに来た。で、この日は、ぼくはビールを飲まなかったが、みんなはアサヒビールを飲んでいた。そして、そこに、当時、京都女子大4回生の野口智子さん(ともちゃん)が、やってきた。20日〆切の卒業論文の相談に、深夜にやってた。そのまま、日付が18日になった。ともちゃんも、片岡由紀ちゃんも、1月18日が誕生日らしく、誕生日を祝ったっけ。論文は、「子どもたちが参加できる(インタラクティブ)っていうけど、鑑賞してる時は、参加してないのか?」というような問いがあり、酔っ払いたちが、次々に卒論に口を出した。

そして、今日は、ともちゃんからメールが来た。新潟に震災のボランティアに行っているらしい。

今日は、マリンバとピアノのデュオを書くために、五線紙をコンビニにコピーしに行って、ついでにスピリッツの『20世紀少年』を立ち読みする。で、帰って楽譜を書こうと思うが、マリンバの楽譜って、どう書くのかな、って疑問が出てきた。普通に叩いたのも、音が伸びないからスタッカートっぽいけど、どの程度のをスタッカートって書いて、どの程度はスタッカートじゃないんだろう?質問しようと思って、片岡さんに電話。でも、留守電だった。

で、楽譜を書いていたら、電話が返ってきた。スタッカートだと、意識的にバチを素早く離すようにするかな、とのこと。どちらにしても、違いは微妙なんだろうけど、書いてあると演奏者が意識する、ってことみたい。

なんだか、ちんたらと進んで、30小節くらい書いた。ま、1週間以内にあげればいいから、焦らず、のんびりやろう。