野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

一緒にいればいい関係

今日は、京都女子大学に行って、みどりちゃんと卒論のつづき。タイから帰国した後は、17、18、19日と3日続けて、京都女子大学に通って、昨日、スチュアートと会ったけど、また、今日も京都女子大学。5日のうち、4日も行ってる。専任講師をしていた時でも、週に1回か2回しか行ってなかったのに、5日のうち4日って、すごい。

みどりちゃんは、野村誠の展開の仕方を研究してるのだけど、
「どこまで決めてるんですか?それが一番聞きたいかな?」
と言っていて、いろいろインタビューされてみた。やってくうちに、実践のビデオを見ながら、その場面で野村誠がどう考えていたのかを、全部、聞き出してみるのがいいのでは、ということになったので、24日には、クリスマスイブのインタビューになりました。

帰り道、みどりちゃんと話していて、一昨日ポチと話したことを話す。
「結局、ぼくは、学生に教えたいことなんて、特に何もなかったの。ただ、みんなと一緒にいられれば、それで良かったんだ。だって、みんなのことが好きだから。」

こんなことを自分が真面目に言うなんて、思ってもいなかった。でもどうも、自分の考えは、そういうことになってきた。最初は、「教師と学生」という関係で、「教える人と教わる人」という関係として、出会ったのに、時間をうまく過ごした結果、信頼関係が築けて、「一緒にいればそれでいい」っていう関係になる。ぼくがやってることは、そういうことかも。

でも、芸術家が「一緒にいればそれでいい」なんて言ってもいいのかな?ってツッコミ入れたくなるくらい、自分でも驚くほど大胆な発言だ。もう少し大義名分はないの?これじゃバカみたいじゃん!でも、これ、どうも本音みたいなんだよ〜〜。

「教師と生徒」とか、「セラピストとクライアント」とか、「演奏家と作曲家」とか、そういう関係が融解して、「ただ一緒にいられればそれでいい」って思いあえる関係(それは、友達というのか、仲間というのか、何て言ったらいいんだろう?)になっちゃった時、何かが始まるんだ。

帰ったら、「たまごをもって家出する」の浄書が届いていたので、校正して、でも、吹奏楽の楽譜を書く気分にはならず、さっさと寝る。