野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

タンゴパーティー


慶応大学に講義に行く。「身体・感覚/文化」という授業。今日一回だけの講義。鍵ハモを演奏したり、「火の音楽会」の話をしたり、映像作品「学校の音楽」(野村幸弘映像)を見てもらう。階段教室の椅子をパタンを倒すと、自然に戻ってくるので、これを全員で合奏することにして、学生全員机に座ってもらって、パタンパタン。学生全員が教卓に背を向け、机に座り、椅子をパタンパタンとする図は、写真やビデオに残せず残念。大学ではあり得ない光景だから。

タワーレコードでCD購入。ウェーベルン全集、メシアンの死ぬ間際に書いたオーケストラ曲、ペロタン、山田耕筰などなどを購入。「即興演奏ってどうやるの」の第1章に「なんちゃってウェーベルン」というのが出てくるのだが、これは片岡さんが執筆したが、「なんちゃってフェルドマン」的でウェーベルン的な厳格さよりも断然風通しがいい。で、じゃあ、ウェーベルンって何かって、もう一度じっくり聞いてみたくなったので「ウェーベルン全集」を購入してしまった。

その後、ジャスラックの取材を受ける。あんまり気乗りせず受けた取材だったが、喋っているうちに調子が出て、どんどん喋って、気づいたら「世界を変える」と言っていた。
「譜面を見て、この程度の曲と思っちゃった時点で、その曲はその程度の演奏しかできない。でも、この曲はもっと面白く演奏できるはずだ、と譜面を読み込めば、その曲はもっと輝ける。それはこの世界を見る時だって、同様のはずだ。」
ぼくは、力説していた。

千駄木の家に戻って、ウェーベルンを聞いているうちにお出かけの時間。

21時。福生駅で、Andrew Melvin(作曲家)と小林史真さん(ハーモニカ奏者)と会い、史真さんの実家に行く。以前、イギリスでアンドリューの家を一緒に訪ねた池田邦太郎さん(小学校の先生)も来る。そこでは史真さんのお母さんと仲間達がタンゴを踊っている。アンドリュー、史真さん、池田さんと次々に初見でタンゴの楽譜を演奏して楽しいセッション大会が深夜12時ごろまで続き、最後は史真さんの家の3匹の犬たちと楽しく過ごす。

アンドリューが、自作のアレンジRAT ATTACK(鍵ハモ4重奏)、RAT PANIC(鍵ハモ5重奏)の楽譜をくれる。もとは、ゲーム音楽。P−ブロッでやらなくっちゃ。ぼくも、アンドリューの俳句ピアノ曲プロジェクトのために、短い曲を書きたいと思っているのだが、書くものが続いていて。11月にアコーディオンソロを書いて、12月に、ホエールトーン・オペラ1幕のアレンジを書いたら、1月には書かなければいけない曲がなかったはず。1月に書こうと思う。元日に書こう!

史真さんの実家に宿泊。よく眠れた!