野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ケンハモナイトvol.13

本日、ケンハモナイトvol.13でした。20年前に、鍵盤ハーモニカオーケストラ「P-ブロッ」を結成しましたし、鍵ハモ8重奏曲として「神戸のホケット」を作曲したのも20年前でした。鈴木楽器製作所を初めて訪ねたのも20年前でした。あれから20年経って、鍵ハモシーンが、ここまで盛り上がってくるとは。そして、ぼくが独自で友人に頼み模索していた木製ボディの鍵ハモを、突如、スズキ楽器が試作してきたことにも、驚きました。20年続けるものだなぁ、と思っています。

ライブは超満員で、大盛況で、鍵ハモへの関心度の高さも感じました。久しぶりに生で味わう夏秋文彦さんのソロ、鈴木潤さんのソロも、さすがでした。京都で既に5年の活動歴のある鍵盤ハーモニカ合奏団「けんはも」によるタンゴ特集のアンサンブルで、久しぶりに聴く鍵ハモ4本のアンサンブルに、潤さんと二人で郷愁を感じていました。

楽器会社がこれだけやる気になって、鍵ハモを作ってくれているわけですが、ぼくらプレイヤーが、もっと先まで進んでいかなければいけない、という気持ちも沸き起こりました。夏秋さんや野村が、大御所になっているようでは困るとも思うのです。ぼくらは、まだまだ発展途上です。ぼくらが、神になってはいけないし、まだまだ未熟な音楽家なのです。ただ、もう20年以上も鍵ハモ界のトップランナーを続けてきているので、そろそろ若手天才プレイヤーが次々に出現して、「おっさん達は引っ込んでて」と引退に追い込まれるのも御の字なのですが(そうなったら、作曲に専念します)、引退に追い込まれるまでは、鍵ハモ奏者の第一線を切り開いていくトップランナーの役目を引き受けよう、と思いました。

久しぶりに「FとI」を演奏できて、嬉しかったなぁ。先週は、ピアノソロやっていて、今週は鍵ハモ。それで、来週に、箏/三味線のコンサートや相撲のワークショップ。お前は一体、何やりたいんや!と突っ込まれそうですが、引退に追い込まれるまでは、どんどん鍵ハモやっていきますので、よろしくです。