野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Emma Weltonとの会話

今日は一日中、在宅。コロナの影響で在宅勤務が多い。そもそも作曲家というのは、本来は在宅作業が多い引きこもり。ぼくは引きこもって譜面を書く在宅デスクワークの面と、旅に出て人々と交流するフィールドワークの両面を合わせ持つ。今年は結果的に、在宅デスクワークが増えている。その結果、毎月のように新作を書き下ろしている。

1月 《帰ってきた千住の1010人》 (1010人による大合奏)

2月 《祇園精舎の宿題の》 (琵琶と様々な楽器のための)

3月 《Beethoven 250 ー迷惑な反復コーキョー曲》 (アコーディオン+ピアノ)

   《Messiaen Game》 (2台ピアノと観客参加)

4月 《おっさん姉妹のための》 (遠隔2台ピアノ)

   《Apples in the Dark or in Light》 (遠隔でりんごを食べる)

5月 《ホルスト盆栽》、《ハイドン盆栽》 (ピアノ)

6月 《初代高砂浦五郎》 (三味線弾き語り)

   《I am JACSHA. You are BACSHA》 (バリトンソロ)

7月 《世界をしずめる 踏歌 戸島美喜夫へ》 (二十五絃)

8月 《Remote Tanabata 2020》 (尺八、箏、木琴、イギル)

   《あやしいサーカス団 Les Six 2020》 (ケンハモ、ハープ、バラフォン、ピアノ、ソプラノ、エレクトロニクス)

9月 《Chant for Sleep》 (ピアノソロ)

   《Etude for ZOOM》 (遠隔アンサンブル)

 

今日は、イギリスのEmma Weltonのプロジェクトのために、1時間強のインタビューを受けた。エマと話すのは久しぶりで、楽しく話せた。コロナ禍で生活がどう変わったかについて聞かれて、そんな中で新しい生活スタイルを模索したり、新しい音楽活動のあり方を模索する中で、自分なりに発見してきたこともあったことに、改めて気づかされる。「世界だじゃれ音Line音楽祭」に向けて進めていること、毎日、「四股1000」をやっていることなど。エマは、「四股1000」は、体の運動を目的としているのか、それとも社交の場としての機能もあるのか、などと聞いてきた。明らかに両方だ。昨年12月にエマが我が家に泊まった時と、いろいろな変化がある。ZOOMを楽器と考えれば、その楽器にどんな特徴があるかを探っていく試行錯誤が理解できると、面白がってくれた。そして、だじゃ研の音源を聞きたいと言ってくれた。まだまだ、イギリスはコンサートやワークショップなどが再開するような状況ではなさそうで、日本の状況とも違いそう。そんな中、エマがオンラインのグループで音楽をしたり、オンラインでヴァイオリンを教えたり、サウンドウォークをやったり、そうした活動の話を聞くのが新鮮だった。久しぶりにイギリスの人と話した。

 

「世界のしょうない音楽ワークショップ」に向けて、野村の紹介動画を、自宅で撮影。里村さんに手伝ってもらいながら、家にある本とか茶碗とか筒とか散らかして。あえて、ピアノもケンハモも弾かず。楽器は、他の先生方がいっぱい弾いている動画をあげてくださっているので。

 

足立区でムジタンツという活動をしているピアニストの酒井さんとも別件の打ち合わせをした。音まちで、千住だじゃれ音楽祭で色々活動していることと、またムジタンツで行なっていることが、リンクしていく日も来るのかもしれない。

 

 今朝も四股を踏んで、一ノ矢さんの月間武道の連載記事を音読した。在宅で引きこもって、作曲したり、ピアノを練習したり、メールに返信したり、読書をしたり、映像のチェックをしたりする合間に、リモート会議が入ってくる。この生活様式にも、随分慣れてきた。