野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

オハイエ音楽隊との初ワークショップ

11月に開催される熊本県立劇場での『オハイエくまもと』の15周年記念コンサートのステージをディレクションすることになり、本日初めて『オハイエ音楽隊』のパフォーマーたちとのワークショップを行った。県立劇場からの依頼を受けて、取り組むことになり、とりあえず今日は知り合いに来た。

 

『オハイエ音楽隊』は、音楽好きな知的障害の人たち(30人くらい?)と音楽指導者の方々(15人くらい?)で構成されている感じで、見学に来ている家族らしい方々やスタッフまで含めると、その場に50~60人の人がいる感じだった。

 

最初に『オハイエ音楽隊』が1曲歓迎の演奏で迎えてくれたので、ぼくも自己紹介がわりに《鍵盤ハーモニカ・イントロダクション》を演奏してみる。浅鍵盤の演奏などで、ずっこけたり反応がいい人たちだ。ぼくの演奏に合わせて手拍子もしてくれたので、一緒に手拍子して遊んでみたりもした。

 

ピアノに向かって「やっほー」と叫ぶのも、やってみたら、やりたいと手をあげ、何人も声を出してくれた。それぞれの性格によって、声のトーンが違う。

 

ぼくが小学生の時に作曲したピアノ曲《たぬきときつね》を演奏すると、曲に合わせて手拍子をしてくれる。リズムの複雑な曲なので、手拍子は難しい思うが、なかなか頑張ってついてきてくれて、手拍子もやっていくと面白くできそう、と思う。

 

ピアノを弾きたい、と手をあげて前に出てくる人もいた。昔ピアノを習っていた時の曲を弾く人もいたが、何か謎のメロディーらしきものを、ゆったりと弾く人がいて、ぼくは、「一緒にピアノを弾いてもいい?」と聞いて、即興で連弾してみた。美しい音楽になった。別の人とも連弾した。ピアノもいい。

 

カホンが5個くらいあって、それも聞いてみたいとリクエストすると、カホンを鳴らしてくれる。ボンゴを叩いている人がリズム感がとても良かったので、ソロもやってもらった。ピアノも入ってノリノリになるので、1234のカウントで止まったりできるか試すと、そういうこともできるので、自由型で進めてもその場でかなりアレンジできて、音のテクスチャーを変えていけそうだ。

 

リズミカルなのをやったので、少しだけ歌を作ってみようと、インタビューして歌詞をつくる。唱えているうちに、一緒に歌う人とずれて歌う人がいて、だったらコール&レスポンスにする。これもみんなで歌うだけだと単調になるので、一人ひとりにマイクを向けていく。すると、コール&レスポンスを逸脱して、別の歌詞で歌い出す人がいる。おかげで新しい歌詞が出る。ラップができる、という人がいて、ラップしてもらおうとマイクを渡すが、言葉があまり出てこない。ホワイトボードに書いた言葉を読んでもらったら、ラップはいい感じになる。これも可能性あるなーー。

 

最後に、みんなで曲を聞かせてもらう。音楽隊には指導者の先生がたくさんいて、この人たちも含めて音楽隊なんだと、今頃理解する。次回は、もっと指導者の先生たちも楽器で活躍してもらおう。

 

あっという間の2時間だった。

 

スタッフ/指導者の方々とフィードバック。また来月。