野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

マコトバンドは、さらに熟成されています

小日山さんが、香港に来て下さりました。

「點心組曲」第4楽章の「MTR REMIX」の10回目。これまで、延々とカヤンの謎の言葉を録音し続けてきたが、今日は、かつてのカヤンの言葉を譜面に書き起こしアレンジしたものを、カヤンと練習してみた。カヤンは、なんと録音した時と同じリズムで歌える。音楽性と再現性の高さに驚いた。来週には、また、野村がカヤンの言葉の録音から、さらに追加で曲を作って練習することにした。

「點心組曲」第5楽章の「Quite Quiet Quintet」は、今までと違い施設の様々な楽器も登場し、部屋の中に島のように点在させた。爆発ピアノ君が部屋に入ってくるのを、職員の人に追い出される。ぼくが言って彼に挨拶をすると、彼は必死に、広東語で語ってくる。おそらく、「今日の5時からリハーサルだよね。5時に練習だよね。5時に行くよ。練習するんだよね。5時だよね。5時だね。」と言っているように聞こえた。ぼくは、「そうだよ。5時だよ。あとで会うから、よろしく」と伝えた。

爆発ピアノ君が退出すると、静かなメンバーたちで、非常に渋い音楽になる。音数が少ない。が、途中からは太鼓が打ち鳴らされ、静かな音楽ではなくなった。1時間のセッションが終わり片付けていると、爆発ピアノ君が入ってきて、「今日の5時だよね。5時だね。練習だね。」と訴えかけてくるように言う。あと3時間後には、彼とセッションになる。

「點心組曲」第6楽章の「Drum'n Bells」の7回目。今まで、東チームと西チームに分かれていたが、ついに合同で、本番を想定してのリハーサル。指揮者の合図で全体がなんとか止まったりするし、即興ピアノ連弾が挿入される音楽になって、前回から少し発展。

「點心組曲」第14楽章の「Improvised Cantonese Opera」の9回目。今日は、7月5日と7月8日の本番を想定して、進めてみた。今までに作った歌が歌えて、中国打楽器が鳴り響き、スムーズに進行できたので、この調子で大丈夫。

ベリーニやi-dArtのメンバーとの打ち合わせ。来週、ローカルテレビの取材が入りそう。あとは、7月2日の路面電車(トラム)のイベントのためのチラシをジョウィが作ってくれていて、見せてもらう。一方、7月5日と8日のツアー型パフォーマンスのチラシをヴィッキーが作ってくれていて、それも見せてもらう。ベリーニは、ツアー型パフォーマンスでのシフトを作ったりしている。大詰め。

「點心組曲」の17のグループから選抜されたマコトバンドAのリハーサル。爆発ピアノ君が満を持してやって来る。ドラムセットに座る。ノリノリちゃんは、荷台の木を叩き続け、しきり女王がマラカスに興味を示し、強烈な勢いでマラカスでウッドブロックを演奏する。スマイルたいこさんが、なんでも笑顔でたたき続け、こだわりタイコちゃんが、こだわり奏法を嬉しそうに探求する。とにかく、全員がマイペースであり、強烈であり、凄いアンサンブルになる。途中で、ぼくはこれを3グループに分けて、3回の発表をした。お互いに鑑賞し合うことに成功。3−4人での演奏は、それぞれの個性が浮き立ち、本当によかった。最後は、全員でのカオスセッション。このメンバーでトラムに乗るのか。強烈過ぎる。

1時間の休憩の後、マコトバンドBのリハーサル。こちらは、バンドリーダーさんが中国太鼓、安定カホンさんがカホン。ピアノばあちゃんが、ジャンベ、他のメンバー。このグループは、安定感抜群。全員がリズム感がよく、アンサンブルに長けている。このメンバーと演奏しながら、香港の町並みがどう見えてくるのか、楽しみ。

夕食の後、門衛さんに「日本がワールドカップやっているから、ホールで大画面で見れるから」と言われて、ホールでサッカーを観戦。