野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

こどもアートサーカス2021初日

東京へ移動。本日より、『こどもアートサーカス2021』の音楽ワークショップの濃厚な3日間が始まる。何が濃厚かというとメンバーが濃厚。中川賢一さん(ピアノ)、鵜木絵里さん(ソプラノ)、野尻小矢佳さん(打楽器)、福島青衣子さん(ハープ)、野村誠(鍵盤ハーモニカ)という5人組『あやしいサーカス団』。中川賢一さんの呼びかけで集まったメンバーで、2019年は、それぞれが別々にワークショップをするような形だったのが、ぼくが新曲を書いたり、即興でアニメの音をつけたり、と徐々に、バンドになってきた。

 

今日は初日で、14:00-15:00が、zoomによるリモートワークショップ。我々『あやしいサーカス団』の5人はとしま区民センターの多目的ホールに集合して、そこから25名の子どもたちとリモートで挨拶。それぞれの楽器を短い演奏とお話で紹介。その後、5人がそれぞれ別の部屋に分かれて、子どもたちも5人ずつの5グループに分かれて(ブレイクアウトルーム)、少人数で子どもたちと出会っていく。最初の5分間、ぼくはグループCとおしゃべりしたり、楽器で音を出したり、体を動かしたりして、次の5分間は、グループDとおしゃべりしたり、音を出したり、次の5分は、グループEと、、、、、という具合。次々に入れ替わっていく。少人数なので、一人ひとりの子どもの声を聞いたり、一人ひとりのキャラクターがわかったりする。忙しいが面白く、子どもたちもリラックスして楽しんでくれているようだった。としま未来芸術財団のスタッフの皆さんが、大忙しに動き回ってくれて、いい会になった。

 

この子どもたちと、明日は対面で2時間のワークショップをする。今日、仲良くなれたので、明日は、最初から最後まで、対面でこそ楽しめる音楽の醍醐味を目一杯体験できるプログラムにしたい。本日のワークショップを振り返り、明日のプログラムについてディスカッション。感染症対策のため、歌はNG、鍵盤ハーモニカやリコーダーのような吹く楽器もNGなので、野尻さんが消毒可能な打楽器を人数分用意してくれた。打楽器アンサンブルでリズムを作って、子どもとあやしいサーカス団の共演もできそう。野尻さんにリードしてもらうことに。明後日のコンサートで演奏するブルガリアの13拍子の曲のリズム、明日、子どもたちとやってみることに。普通、小学校1年生で13拍子を叩くなんてあり得ないけど、意外の子どもは頭で考えずに体で覚えちゃうかもと、やってみることに。これは、手拍子でやってみて、あやしいサーカス団と共演できてもいいなぁ。

 

太鼓や手拍子でリズムに乗りまくった後に、聞くことや、沈黙すること、ごく偶に音を出すことを味わう、渋い音の即興ワークショップを、福島さんのリードでやる。中川さんはシンセサイザーを持参して、子どもたちが自由に音を選び、機械的なループを作る活動を提案。子どもたちが楽器を演奏するのではなく、子どもたちは作曲家として音を選び、それを機械が演奏する。そして、野村のファシリテートで子どもたちと「あやしい国」の「あやしい語」を作って、「あやしい国」国歌を作詞、作曲する。それを、子どもたちと一緒には歌えないので、鵜木さんが歌ってくれる。そんなプログラム。明日が楽しみ。

 

その後は、明後日のコンサートに向けてリハーサル。ブルガリアの13拍子の曲は、めちゃくちゃカッコいいし、ぼくはケンハモでメロディーやったり、アドリブしたり。吹いてて、本当に楽しいのは、共演の皆さんの演奏が素晴らしいこともある。こんなすごいメンバーと演奏してると、その生音の魅力がすごくて、ゾクゾクの連続。ハープの音が美しいし、ソプラノの歌声がビリビリしびれるし、打楽器のビートがかっこいいし、ピアノの切れ味も抜群。ぼくのケンハモも、小学生が聴いたこともないような音していると思う。アフリカ(セネガル)の曲が楽しすぎるし、スペインは本当に情熱的に歌い上げるし、インドネシアガムランを中川さんと連弾して美しすぎるし、感動の連続。ちなみに、《相撲聞序曲》をマスクして演奏したら、息苦しかった。この曲は、マスクできないなぁ。

 

サーカス団の衣装も用意されていて、赤鼻も用意されていて、明後日のコンサートが楽しみ。また、それぞれの曲の演奏に合わせて、アニメーションがあって、現在スロヴァキア滞在中の古国府さんが作ってくれて、しかも、一つの動画は、スロヴァキアのアーティストが新作つくってくれた。要素が多すぎて、ヘトヘトだけれども、楽しいヘトヘト。

 

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