野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

開演75分前に楽屋を出発する/つくるはつづくよ、どこまでも/加藤綾子さん

『ガチャ・コン音楽祭Vol.3』のプロジェクト・ディレクターをしている。この2年間、

企画にお願いするアーティストを選出するまでの仕事が膨大だった。滋賀県在住や滋賀に縁のアーティストの資料をいっぱい見て、音源や動画を見まくったりした。その中から、今回、ご一緒するアーティストたちは、本当に自分の道を歩まれている素晴らしい方々で、自分自身の表現を生み出すことと同時に、場を開いていくこと、人と繋がっていくことにも積極的なアーティストたち。毎月のように集まって、交流を続けて育んできたものを、いよいよ明日のパフォーマンスで発表する。

 

田辺響さんは、アサラト奏者でパーカッショニストでマニアックな民族楽器が揃う楽器店RAGAMを経営する。

www.youtube.com

藤野裕美子さんは、日本画を描く美術家だが、絵画なのに平面が層になり時間も層になり、立体的に空間構成する。共同アトリエsoilを運営しアートの土壌を耕し、八日市文化芸術会館で展覧会も企画する。

yumikofujino.com

山本啓さんは、NOBOWAをはじめとする数々のユニットで演奏するヴァイオリニストで、DIYの達人で、音響もピアノの調律も自身で手掛け、料理を振る舞うイベントなどもする。

www.youtube.com

佐藤健太郎さんx野田まどかさんは、コンテンポラリーダンサーで、コミュニティ形成の一環として『比叡平ダンスクラブ』を立ち上げ。お二人の素晴らしいダンスは、滋賀県立美術館のリニューアル・オープンのPVでも見ることができる。

 

www.youtube.com

 

明日の本番に向けて、本日がゲネプロゲネプロって、長距離の移動までも含めたリハーサルなので、米原を出発して、駅まで歩いて、さらに電車に乗って向かうところもやるから、14:15出発で、15:30開演という開演1時間15分前に楽屋を出る。こんなの人生初!

 

ぼくは15:02に高宮駅に着。ダンスチームは、そこから乗り換えて多賀大社前にスタンバイ。音楽チーム(ひびき)は、愛知川駅まで進み、そこでスタンバイ。音楽チーム(ひらく)は40分遅れで出発。

 

15:30の開演と同時に、次々に電車が到着し、電車から演者が登場するという企画。どこのドアから登場するか、どこで演奏するか、など確認。電車が到着するって、ドラマだなぁ。ぼくは司会の練習しなくっちゃ。

 

駅の全面を使う同時多発パフォーマンスも実際にやってみると、面白いところ散漫になるところ、いろいろ見えてくる。それぞれのソロを駅のあちこちにインスタレーションするイメージだったけど、時々、ソロとソロが出会ってデュオになったりしていいと思った。

 

最後のフィナーレのシーン、音響の調整が不十分だったので、ゲネプロ後、サウンドチェック。音づくりの方向性も見えて、いい感じ。『つくるはつづくよ、どこまでも』と題してしまったためか、ゲネプロ終了後も、駅のホームでどんどんアイディアが出て、創作は続いていく。交流が続き、創作が続き、公演としては明日で終わってしまうけど、今回作ったメンバー間の繋がりは、これからも続いていくだろうなぁ。終わるけど始まるような明日にしたい。

 

明日は高宮駅は、藤野裕美子の個展だと思って1時間前くらいに早めに来るのもお勧め。観客がいっぱいパフォーマーもいっぱいの状態で見る前に、あまり人がいない状態で鑑賞するのも楽しいと思う。

 

ヴァイオリニストの加藤綾子さんと10月21日のライブについての打ち合わせ。『インプロ・りぶる』を運営されるだけあって、色々なアイディアをご提案くださる。さすが。加藤さんは、3月に高松市美術館でのコンサートでもご一緒する予定。

 

www.youtube.com