野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

とよおか音楽めぐりコンサート/団扇のパンフレット/ダンスの歴史と創作

JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)とKIAC(城崎国際アートセンター)のオンライン会議。10月7日のコンサートのプログラムの打ち合わせ。竹野中学校吹奏楽部、とよおか音楽クラブ、JACSHA、それぞれが豊岡をリサーチして作った音楽を中心に、それぞれのレパートリーも交えながらのプログラムになる。

KIACコミュニティプログラム2023 日本相撲聞芸術作曲家協議会(JACSHA) とよおか音楽めぐりコンサート「トコドスコイ!」 | イベント | アーティスト・イン・レジデンス | 城崎国際アートセンター

 

『ガチャ・コン音楽祭Vol.1』(2021)、『ガチャ・コン音楽祭Vol.2』(2022)は、近江鉄道に乗って移動していくツアー型のライブだったので、当日パンフレットは旅のしおりのような形をしていた。ところが、今年の『ガチャ・コン音楽祭Vol.3』は、演者が電車に乗って到着するが、観客はずっと高宮駅のみで鑑賞するスタイルなので、パンフレットも旅のしおりではなくなった。デザインの永尾美久さんのアイディアで団扇になっている。本日、完成品が届いて見ることができたが、とても良いデザイン。暑いライブ中に扇ぎながら鑑賞できるし、太鼓をイメージする円形でもある。文字も多く情報量も多いのに、うるさくなくビジュアルが語りかける。

 

本日は、『ガチャ・コン音楽祭Vol.3』のこどもプログラム『アートをあそぶよ、いつまでも』のダンスコースのワークショップが行われた。講師は佐藤健太郎さんと野田まどかさん。13:00~16:30の3時間半。小学生(1年生、2年生、4年生)が参加。

 

始まる前から、子どもたちと自然に「こおり鬼」して遊んだりして後のワークショップ。導入は自己紹介の後、ダンスの歴史のレクチャー。クラシックバレエの起源はイタリアで、400年前の話から始まる。その後は、20世紀に飛んで、イサドラ・ダンカンのモダンダンス、イヴォンヌ・レイナーのポスト・モダンダンス、ピナ・バウシュのタンツ・テアター、ウィリアム・フォーサイス幾何学的な現代バレエ、ジェローム・ベルのノン・ダンスなどを次々に紹介。ここまでずっと欧米で、最後に日本をと、土方巽の舞踏、吉本新喜劇を経て、今回リサーチしている小野町太鼓踊りを紹介。子どもたちがピナ・バウシュの《Cafe Muller》にゲラゲラ笑うのが印象的。

 

ダンスの歴史はいろんな切り口で説明できるだろうけれども、お二人が自分達のコンテンポラリーダンスをどのような歴史で捉えているかが理解できて面白いし、子どもたちにとっても面白いだろう。

 

こうしたダンスのレクチャーの後に、体を動かして、太鼓踊りのステップをみんなでやってみて、布を広げて、布から一人一人がソロダンスを作る活動になった。冒頭のダンスの歴史で色々なダンスの動画を見たことが間接的に影響していて、イサドラ・ダンカン的なアプローチもあれば、フォーサイス的なアプローチもあった。布を衣装として身に纏って後、それぞれのダンスを次々にユニゾンで踊る。とても良いので、ぼくは鍵盤ハーモニカで即興で音をつけてみた。アレンジしていくうちに、明後日の本番を想定した発表にまで練り上げられた。素晴らしい。布を引っ張り合いながらのクールダウンまで、あっという間の3時間半だった。

 

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