野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

原爆から78年/鎌田高美さん/135回だじゃれ音楽研究会

広島の原爆投下から78年。この世界から核をなくしたい。ICカードで電車に乗って、ふと思う。マイナ保険証に一本化とか言ってるけど、多様性と言いながら一本化ってどうなの?と思う。現金で切符を売らずに、全員ICカードで電車に乗ってもらったら、効率はいいだろうけど、ICカードでも乗れるし、切符でも乗れるし、複数の選択肢がある世界がいい。選択肢のあるのは効率は悪いけど、効率だけを追い求めたらダメだ。効率だけ追い求めたら、日本語が話せない人はいない前提で、日本語以外の表示はしない、となる。全員が耳が聞こえる前提で手話は不要なる。紙の書類で手続きしたい人もいて、オンラインで手続きしたい人もいて、どちらにも対応できる方がいい。全員が五線譜を読める前提の音楽じゃなくて、五線譜が読める人も楽譜が読めない人も一緒に音楽できるアンサンブルがいい。無理矢理、全員を同じにしようと強要することは、マイノリティへの否定に繋がりかねない。多様性をうたうんだったら、面倒臭く、いろんなシステムを併用するべきだと思う。

 

昨日、水戸芸術館で鎌田高美さんとばったり会ったので、東京でランチをご一緒する。鎌田さんは、水戸芸術館が開館した頃、京都から美術ボランティアに通っていた人。当時、ボランティアをしていた片岡真実さん(現、森美術館館長)と初めて出会ったのも、鎌田さんから水戸のボランティア仲間として紹介してもらったのだった。ギャラリーそわか、アトリエ劇研、京都造形芸術大学などで働いていた時代もあって、いろんな形で会ってきた鎌田さんだが、最近は子どもたちと急須でお茶を飲むボランティア活動をしているとのこと。元気そうでよかった。

 

東京藝術大学第7ホールにて、第135回、だじゃれ音楽研究会。大量のウイスキーボトルが揃い、ぼくもゴルフボールのマレットを大量に持っていって鳴らしてみたけど、すごくいい音。ウイスキーガムランになった。ゴルフボールでの演奏も、なかなか効果的。パターもいい。ハサナさんが新奏法を開発。インドネシアの屋台では、よくやってるらしい。音の発見の連続。

 

だじゃ研のメンバーたちの創造的なエネルギーは素晴らしく、3時間の間に、《タリック・タンバン》の演奏がどんどん練り上げられていく。地球温暖化への活動として、昆布の重要性を訴える安田さんは、大量に昆布を持参。昆布を拍子木のように使って、環境問題を訴える柝を鳴らしたい。

 

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