野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ジェーンとノムのみんなでつくろう!いきなり音楽プロジェクト!!(4日目)

ジェーンとノムのみんなでつくろう!いきなり音楽プロジェクト!!の4日目。今日は、オリエント楽器でのトークイベント。

 

色々な人が混ざっている方がいい、とジェーンは言う。また、彼女はコミュニティミュージックと音楽療法を完全に別物と切り分けるわけではなく、様々なグラデーションの中で、それぞれに関心を抱いている。だから、日本にリサーチに来た時にも、野村誠にもインタビューするし、音楽療法士の生野里花さんにもインタビューをした。ドラムサークルにも関心を抱くし、博士論文も書く。もともとは、人形劇団から出発し、音楽教育を受けたわけではなく、現場の経験を積みながらパーカッショニスト/コミュニティミュージシャンとなっていった人。越境していく人だ。

 

ぼく自身は、共同作曲として作曲の可能性を拓いていく活動をしてきたつもりだった。そのためにワークショップとして、他者と一緒に交流をして音楽を作ってきた。そうした経験を経て、気がついたら、ジェーン同様、顔の表情とかジェスチャーとか、演奏のニュアンスを全身で表現する身体的な音楽家に育ててもらったのだなぁ、と自覚できた。

 

トーク、打ち合わせの後、豊川稲荷への束の間の遠足。疲れたのか、電車の中でも熟睡。

 

ホセ・マセダのスコアを実音記譜に全面的に書き直して浄書作業をしている。一つひとつ楽譜の疑問点を洗い出す作業。迂闊に指揮者を引き受けてしまったけど、自分の曲だったら楽譜に書いてあること何でも答えられるけど、他人の曲だと大変だ。作曲した直後のホセと同じくらい曲のことを理解したいので、1音1音を書いた意味を一つずつ確認していくと、だんだん、なるほど、と分かってくる。