野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

問題行動トリオ/Nadegata Instant Party

日本の世の中は3連休らしい。十和田市現代美術館での公演が延期になったため、ぼくもお休み。ということで、十和田市現代美術館に行った昨年8月の公演のダイジェスト動画を見て、修正点をメールしたり、同じく十和田で行った昨年11月の公演のフルバージョンの動画の確認をした。この11月の公演は外を散歩したり、教育会館という公民館のような場所で動いたり、町の個性的な人を紹介したり、リモートで共演したり、問題行動があったり、観客が参加する場面があったり、かなり複雑な要素が絡み合っているので、ダイジェスト映像を作ったら、かなり面白そう。

 

Nadegata Instant Partyの《HOME STAY HOME》の展覧会クロージング企画の特別上映会とアフタートークをオンライン視聴。展覧会場で流れていた複数の動画をつないだ1時間半ほどのドキュメンタリー映像は、このプロジェクトの別な形での記録。複数のzoomの対話を一つずつ追いかけていく体験。これはこれで悪くないし、実はこれは実際のzoomでの体験に近い。でも、展示会場でのインスタレーションは、実際の体験を組み合わせながら、実際にはない体験を作っていた。それは、ザワザワする賑わい。同時多発にそれぞれの会話が(会場に配置された)複数のモニターで行われていたので、居酒屋やパーティー会場のような賑わいの音響の中でそれぞれの会話を聞いた。実際は、コロナで静かなzoomの会合を、複数重ね合わせることで、そこに存在しなかったパーティー状況を生み出したこと、居酒屋の賑わいやパーティーの賑わいがなくなってしまった時代に、それぞれの声の集積からそれを生み出したことは、このインスタレーションの素晴らしかった点であったので、今日の映像上映を見たからこそ、改めてナデガタのインスタレーションの生み出した魅力について、再確認しておきたいと思った。