3月18日の「舞台技術セミナー」に向けて、色々準備をしている。遠隔２地点にパフォーマーが分かれてインターネットを介して共演する。現時点でのテクノロジーを駆使しても、自然に共演などできるわけもなく、試行錯誤の連続である。ある意味、コミュニケーションするための様々な障害があると言ってもいい。これは、現時点でのテクノロジーを否定しているわけではない。テクノロジーは急速に進化している。しかし、現時点では、生の身体が提示できる情報量に比べると、格段に解像度の粗い情報量しか通信できない。まず、そのことが大前提としてある。
しかし、現時点では最先端でも、解像度が粗いテクノロジーであるが、そのおかげで、遠隔で共演できる時代がきた。もちろん、同じ場所にいてコミュニケーションするのと違い、様々な工夫が必要だ。数年後には５Gが普及し、リモートでストレスなくスムーズに共演できるなんて、当たり前になるだろう。そして、今、我々がやっている試行錯誤など、5年後の未来人が見たら、耐え難い通信障害と思うかもしれない。でも、我々は、何の障害もなくリモート共演できる近未来の人々が想像もしないようなコミュニケーションの仕方を編み出そうとしている。身体表現や想像力を劣化させずにテクノロジーが進歩するのか、テクノロジーが進歩する代償として身体表現や想像力が退化するのか。そんな疑問が抱ける試行錯誤は、楽しい。
夜は、問題行動トリオと十和田市現代美術館とのオンライン会議。インタープレイ展って、そもそも何をテーマにしているのか？問題行動トリオの応答は何だったか？では、３月２０日、２１日に向けて、どんな公演をどのような観客に向けて発信していくか？などなど、語り合う２時間。十和田に行けずに離れた土地から、どれだけ十和田を想像できるか。
