野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

石橋鼓太郎博士論文/数学熱/ピアノを録音

東京藝大の大学院生の石橋鼓太郎くんから博士論文が送られてくる。『制約を創造に変えるアートマネジメント〈野村誠 千住だじゃれ音楽祭〉のエスノグラフィー』という150ページ近い長大な論文。2月に論文発表会にゲストコメンテーターとしてオンライン出演することになり、事前に読んでおくことに。とりあえず、斜めにざーっと目を通す。ぼくの知ってること、知らないこと、いろいろ面白そうで、1ヶ月かけて、じっくり読んで1ヶ月後にコメントできるように勉強しておこう。

 

30年間封印してきた数学熱が再燃してきている。一時的なマイブームかもしれないが、最近は、ちょっとした息抜きにYouTubeで数学の動画を見るのが楽しい。趣味が数学鑑賞になってきた。アートが好きなと興味ない人の温度差が激しいように、数学への熱量も個人差が激しい。ぼくにとっては、数学の快感は、その美的体験にあり、数学鑑賞と芸術鑑賞はとても似ていると思う。

 

今日は、《問題行動ショー(トワダノワダイ)》をピアノで練習しつつ、また少し譜面を書き換えたりして、一応、2月6日の公演に向けてある程度見えてきたので、この15分を超える曲を自宅でレコーディングしてみた。音源を、問題行動トリオに送る。まだまだ要練習なので、ピアノを練習し、気分転換に大相撲と数学を鑑賞する。

 

ぼくと同じ年齢のエドワード・フレンケルという数学者の講義をNHKが番組にしていて、これが本当にわかりやすい。そして、フェルマーの最終定理、全く関係なさそうな谷山=志村=ヴェイユ予想が結びついていくこと。全然違う分野だと思われていた数学がつながる。証明もされているが、どうして繋がるのか理解できないと教授は言う。理解できないけれども真理だと。こうした数学の神秘や不思議に触れると、触発されて音楽の世界に深く没入したくなる。

 

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そして、大相撲の力士たちの激しい取組を鑑賞すると、ピアノの稽古に励みたくなる。作曲、相撲、数学。子どもの頃に夢中になって没頭した遊びは、やはり大人になっても楽しい。