野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

門限ズ+〜〜のミーティング/オーケストラを体感する/想家

3月18日の北九州芸術劇場九州大学とで遠隔で行う公演に向けてのミーティング。九州大学北九州芸術劇場、株式会社ヒビノ、門限ズ、ボーイズの合同ミーティング。2箇所に演者が分かれて、ネットでそれぞれから動画や音声を送信し、それぞれの会場でリモートの演者とその場にいる演者がミックスする公演。それを実現する上で、カメラをどうするか、スクリーンをどうするか、マイクをどうするか、などなど、課題はいっぱいあり、それを一つずつクリアしていく作業。こういうことも、あと何年かしたら当たり前のように簡単にできるようになるのかもしれないが、今、こうして試行錯誤できる時代にいるからこそできることをやりたい。2時間の予定のzoom会議は3時間を超える長時間になった。

 

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夕方は、「世界のしょうない音楽ワークショップ」の今年度の3回目。サテライト会場には、日本センチュリー交響楽団の小川さん(ヴァイオリン)、末永さん(チェロ)、村田さん(コントラバス)、吉岡さん(クラリネット)がいて、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスの楽器体験(コロナ対策で吹奏楽器のクラリネットは残念ながら今回は見送り)。初体験の人がきらきら星などを演奏したり、楽器について奏者に質問したりして、あっという間の1時間。

 

その後は、オンラインワークショップ。サテライト会場の方々のきらきら星を聴かせていただいてのち、zoomで集まったメンバーもきらきら星を演奏。こちらはタイムラグがあるので不思議なバラバラのきらきら星になって、これはこれで面白い。その後、サテライト会場の弦楽合奏と、zoomの色々な楽器(三味線、尺八、鍵盤ハーモニカ、箏、パーカッション、ヴィオラダガンバ、ギター、キーボードなど)が合図で切り替わるというのをやった。

 

続いて、オーケストラについて、みんなで色々質問してみた。練習はどれくらいするんですか?一番大きい楽器は何ですか?出番が少ない楽器の人は、出番が終わったら帰るんですか?などなど。

 

その後、リモートのメンバーを小グループにグループ分けして活動。これを、サテライト会場のきらきら星と交互に行うと、弦楽→グループ1→弦楽→グループ2→弦楽→グループ3、といった感じになる。やってみると、全体で一つのオーケストラが曲の展開の中で木管楽器になったり、弦楽器だけになったり、金管が鳴ったりと色彩を変えていくような感覚を味わえた。オーケストラを体感できてよかった。

 

昨年度は、色々な国の音楽にフォーカスを当てて、結果として色々な音階で作曲してみたりした。コロナ以前はいろんな楽器で大勢で音を出すオーケストラ的な体験ができたが、オンラインになって、それがなかなかできなかった。今年度は、リモートでありながら、オーケストラのエッセンスを体感するために、どんなワークショップにしたらいいかと考えてきたので、少し実現できて手応えあり。明後日は、邦楽とか民族音楽のエッセンスを少しでも体感できるような、そんなワークショップにしたい。

 

今日のワークショップで話題になっら井口先生の本の中にも出てくる2017年の「世界のしょうない」で作った《想家》、改めて見返してみて、ぼくも泣きそうになった。

 

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