野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ケンハモ探求家/雨の日の池の音楽

「ケンハモと現代音楽と私」という連載を、メルキュール・デザールに3回に渡って書いているのだが、

五線紙のパンセ|ケンハモと現代音楽と私|野村誠 |

五線紙のパンセ|ケンハモと現代音楽と私(2)|野村誠 |

 

こういう記事を書いたおかげか、数少ないケンハモ界の人との交流が始まった。今朝は、鍵盤ハーモニカ奏者の南川朱生さんとお会いした。非常にケンハモに情熱を持って取り組んでられる方で、話せば話すほど、この楽器をマニアックにとことん探求したいという気持ちを持っておられる。今までお会いしなかったのが不思議。ケンハモの調律の話、リードの調整の話、様々な機種の話、特殊奏法、エレアコの話、世界のケンハモネットワークの話など、本当にケンハモの話しかしない3時間半だった。そして3時間半では全然足りなかった。南川さんは、ピアニカ前田さんのスタイル、松田昌さんのスタイル、夏秋文彦さんのスタイルなどを吸収された上で、様々な研究調査をされている。こういう若いケンハモ奏者が活躍してくれて、ケンハモシーンが活性化すると、ケンハモのための曲をいっぱい書きたくなるなぁ。

 

ぼくは、ケンハモをアコーディオンとは全く違う楽器として捉えていて、アコーディオン的な表現をほとんどしない。それはきっと、御喜美江さん、大田智美さん、Grzegorz Stopa、松原智美さんなど、本当に優れたアコーディオニストが野村作品を演奏してくれているので、アコーディオンのために作曲したいことと、ケンハモのために作曲したいことが違ってくるのだろうなぁ。

 

濃密なケンハモ談義の後、滋賀に戻る。ながらの座・座での動態展示も残り2日。本日も雨が激しく降って、庭の池の波紋を見ながらトイピアノやケンハモを演奏。南川さんと話した余韻があって、結構じっくりとケンハモを演奏した。大正琴、箏、プリペアドピアノなど演奏したり、語り合ったり。いよいよ、明日は最終日。

 

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