野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

障害者、殘疾人、異能者、不同能力朋友

城崎国際アートセンターから、次年度のレジデンスプログラムの冊子が届く。この中に、元力士・一ノ矢で相撲探求家の松田哲博さんの寄稿文「オペラ双葉山〜竹野からの船出」が掲載されている(74ページから80ページにかけて)。改めて昨年、城崎国際アートセンターで滞在制作し、ぼくにとって残りの人生を全てかけても完結しないかもしれない大プロジェクト《オペラ双葉山》を竹野で始められたことを嬉しく思いながら、一ノ矢さんの原稿を読む。その冊子は、こちらでPDF公開されている。

 

http://kiac.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/KIAC_Program2021_fix_web_compressed-1.pdf

 

一ノ矢さんとの対談などが入った冊子『JACSHAフォーラム オペラ双葉山とは何か』も、PDF公開しているので、こちらも合わせてお楽しみいただきたい。

 

http://jacsha.com/jacshaforum2020.pdf

 

そして、3月7日には、JACSHAの鶴見幸代が作曲した竹野相撲甚句もふんだんに盛り込まれたオーケストラ曲《南後船》が琉球交響楽団により世界初演になる。

 

さてさて、相撲関係の話題は、そんな感じなのだが、現在は、3年前の香港でのレジデンスについて冊子にまとめる作業を続けているが、「障害者」という言葉の中国語(広東語)があまりにも酷いので、新しい言葉をつくった、というのがi-dArtの説明で重要になる。people with disabilities(=障害者)に対して、people with different abilities(=異能者)という言葉を作った。広東語では、異能者ではなく、「不同能力朋友」という言葉を使っているようだ。では、障害者はなんと言うのか?「殘疾人」となる。確かに、「香港殘疾藝術與文化」などというfacebookページがあったりするが、i-dArtは「殘疾藝術」ではなく、「不同藝術」という言葉を生み出し使ってきた。