野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

鶴見幸代/アイヌ音楽/地形/香港の内と外/都城のプロジェクト

3月7日に鶴見幸代作曲の新作オーケストラ曲「南後船」が琉球交響楽団により世界初演になる。兵庫県の竹野に伝わる竹野相撲甚句は、北前船によって新潟や秋田の方から伝承されたと言われる。その竹野相撲甚句のメロディーが琉球民謡が出会う音楽で、架空の南後船によって、琉球から伝承されていく音楽。「オペラ双葉山」の一部となる予定。

 

「四股1000」で四股を1000回踏んで後は、アイヌ音楽研究家の千葉伸彦さんとのトークを里村さんと二人で編集+加筆。「アイヌ音楽」も一枚岩ではなく、樺太アイヌと北海道アイヌでも全然違う音楽だったりするし、北海道内でも帯広と阿寒と場所が違うと全然違うので、多様なアイヌ音楽があって、一括りにはできない。

 

芽武の振り返りの進藤冬華さんと里村真理さんとのトークのテープ起こし作業。野村が20%ほど進めて、残りは里村さんにバトンタッチ。それにしても、アーティストやコーディネーターが延々と地形や河川の話をしているのが面白い。

 

香港のi-dArtから次々に写真が届く。3年前の香港i-dArtでのレジデンスについての冊子のあとがきを執筆。ああ、ぼくは施設の中に3ヶ月住んで、施設の外と中を繋ぐ仕事をしたのは、一度、中の人間になったからだ。そして、今も外にいるようだけれども、i-dArtアンバサダーとして、中の人間と思ってもらっているので、そういう意味で外にいる中の人間として、外と中をつなげることができる。

 

3月15日にリモートで開催予定の都城のプロジェクト。外の人間として、都城の障害者施設を訪ねて行ってワークショップをしたのが、昨年、一昨年。今年は、リモートで関わるので、さらに施設の外から関わる。佐久間新さんの画面に佐久間さんのお父さんの佐久間徹さんが登場する。リモートで関わる面白さは、佐久間新さんの画面に徹さんが現れてしまうところかもしれない。