野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

リコーダーの実験

1月24日(日)に「世界だじゃれ音Line音楽祭day4」が開催される。そこで、安野太郎さんと野村誠によるパフォーマンスがある。1週間後に迫っており、安野さんは最近YouTuberも始め、テクノロジーにも強いので、こちらはアナログで対照的にやれたらいいなと思っている。安野太郎の「ゾンビ音楽」では、リコーダーが活躍する。リコーダーに機械で空気を送り込み、指穴をmidiコントローラーで制御して開閉して独特なサウンドを生み出す。安野くんとのセッションで、ぼくもリコーダーを使った演奏をやってみようと思う。今日は、自転車の空気入れとリコーダーを合体させての演奏を中心に実験してみた。空気入れの先に、鍵盤ハーモニカのホースを連結し、それをリコーダーと連結して空気を送り込むことに。なんとか空気がリコーダーに入るようになった。明日は、以前、池袋で子どもとのワークショップで編み出したコカコーラのペットボトルでリコーダーを演奏するのを、久しぶりに練習してみようと思う。

 

当時の日記を読み返してみる。面白すぎる。

ホース→リコーダー→ペットボトル→風船と4日間で展開してきた。どれも風に関係ある。「風」だけで統一するのか、全く別のことがしたいのか。子ども達に問いかけた。根本的なテーマの問題になる、と子ども達は言う。ぼくは、そもそもの「キーボード・コレオグラフィー・コレクション」のアイディアと、現在の考えを伝える。子どもからは、「音楽でなければならないのか?」、「枠はなく何をしてもいいのか?」、という質問。なるほど、これは本質的な話です。

ぼくは、音楽家であり、音楽の発想で世界を見たり、物事を作ったりしているけれど、今回、「音楽をしなければならない」という制約からは完全に自由な立場にいる。「音楽」から自由にダンスを作ると同時に、ダンスからも自由にダンスが作れると思う。明日は、全身を使ったダンスを作ろうということになった。

 

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そして、2009年3月31日の日記を読むと、2020年くらいにはと予言しているけれども、予言は的中してるのかなぁ?10日間かけて、子どもたちとダンス作品をつくって、舞台公演したのは、貴重な体験だったなぁ。安野太郎とのセッションに活かせるアイディアが、いろいろ埋もれているはずなので、大切に生かしたい。

今回、作曲家が子どもたちとダンス作品を作るという初の試みでした。多分、他の国でもこんな試みはない前代未聞のケースだと思います。美術家が子どもたちと演劇作品を作るとか、演出家が子どもたちと美術作品を作るというような試みが、いずれ行われるかもしれません。今回の試みが前例となって、そう言うプロジェクトが定着していくかもしれない。2020年くらいになったら、ああ、2009年の野村誠と子どもたちによって行われた「ウインドセプテット」、「ごしゃんぽん」、「ナナリンピック」の3つの作品が、そうしたことの先駆けだ、と語られるようになるかもしれないなぁ。

 

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草本さんと里村さんと雑談のような打ち合わせで、いろいろアイディアが出てくる。

 

いろいろ、山積みになっているプロジェクトがあって、なかなか着手できていないことがあるが、これからの2週間を乗り切れば、だんだん時間のゆとりができてくると思うので、まずは、健康で無理せずに、一つずつやっていこう。