野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

メシアンと文楽

1月7日のコンサート『愛と地のメシアン』に向けて準備中。特にメシアン作曲の2台ピアノの《アーメンの幻影》の譜面は、よく見ると、いろいろ変なことが書いてあって、どうして、こんな変なリズムのタイミングでペダルを踏むのだろう?と思うところにペダルの指示が書いてあったりする。右手と左手でもリズムがズレ合っているのに、さらに足も別のリズムをやっていることになるので、ちょっと極端にペダルを踏んで、第3のリズムを強調した方が面白いのかな、とかやっている。この曲は、1943年戦争中ドイツに占領されたパリで作曲されたもの。精神的にも肉体的にも過酷な時代の作品だけに、切実さがあり、様々な実験があると同時に、生きる希望を与えるための音楽とも言える。

 

午後、里村さんが番組制作会社で働いていた頃の友人であるNHKの上野さん、映像の原田さんと映画配給の原田さんご夫妻と新年会。上野さんが札幌勤務で、北海道の流木アートのシゲちゃんを特集した番組を作っていたり、アイヌ関連の取材なども色々されていることもあり、昨日に続いて昨年の北海道レジデンスの話を色々語ることになり、新年早々北海道の取り組みをする気分に一気に盛り上がる。ピアノでメシアンと寿式三番叟を合体させて弾いてみる。メシアン文楽の出会いも面白い。

 

原田さんご夫妻と食事をしたお店の人から合気道の話を聞き、合気道の稽古でも四股をすると話が盛り上がり、今年は合気道の道場に通うことになるのかなぁ、という気がしてくる。

 

家に帰ると、Nickさんから、昨年の北海道レジデンスのレコーディング音源が届いていて、ますます、北海道に気分が向かっていく。アイヌのこと、Memu Earth Labの寒冷地での持続可能な生活の研究のこと、また、いろいろ考えが巡り始めて、創作が始まっていきそうな予感。