野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

分かりにくいからこそ面白い

午前中、アイヌ音楽のCDを聞いたり、里村さんの北海道でのアイヌ関連の博物館などを訪ねた報告を聞いたり、本を見たりしながら、トンコリ風に調弦した箏を弾いたり、ムックリで音を出したりという時間。Memu Earth Labでの2週間のレジデンスが終わったが、北海道の日々を京都で発酵させていく時間がこれから始まる感じ。

 

それにしても、京都は寒い。というか、我が家が寒い。北海道では、室内がとにかく暖かかった。建物は断熱に優れているし、室内で寒いと感じたこともなかった。一度、北海道を経験した後に戻ってきた京都は、通常の京都以上に寒く感じ、凍えそうだ。しかも、今日は特に冷え込む。陽光を欲するが、ずっと曇って薄暗く、気温もあがらない。

 

そんな中、ピアノを練習し続ける。オリヴィエ・メシアンの3曲と野村誠メシアンに捧げた9曲の12曲が当面の課題。北海道にいる間、ピアノは一度も触らなかったので、その分を補うべく、たくさん弾いているが、少しずつ指が鍵盤に馴染んでいく感覚があり、来年1月7日のコンサートが楽しみになってくる。ずっと、練習だけしていると飽きるので、即興でピアノを弾いたりもする。

 

夜は、だじゃ研(=だじゃれ音楽研究会)のリモート会議など。12月19日に「世界だじゃれ音Line音楽祭 Day3」開催!(令和2年12月19日) | アートアクセスあだち 音まち千住の縁を開催する。

 

15:30-16:30に開催するのが、自由な音楽交流会。

 

楽器を持ってきてもいいし、持ってこなくてもいい。

だじゃれを言ってもいいし、言わなくてもいい。

台所用品で参加してもいいし、違うものでもいい。

時々、だじゃれも挟みながら、時々、音楽もする。

 

19:00-20:00は、イギリスの電子音楽の音楽家John Richardsをゲストに招いての簡単な電子音楽ワークショップ。

 

「だじゃれ音楽」と言うだけ、胡散臭がられたり、「千住の1010人」の動画を見て、「わからない」という音大生もいる一方で、「千住の1010人」の動画を見て、転職を決意しスタッフになった人もいる。そんな話をしたら、「わかる/わからない、ではないのではないか」との意見も出る。確かに、ぼくにとって、音楽や作曲は、わからないことばかりで、謎が深まるからこそ、何十年も探求し続けているとも言える。そういう意味で、「ミステリーミュージック」という概念を考えて、ヒューとワークショップしたのは面白かった。だって、ミステリーでは「わかる」は面白くなく、わかりにくいからこそ面白い。

 

久しぶりに、この動画を見てみよう。

 

vimeo.com