野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

中国音楽を満喫

九州大学ソーシャルアートラボの企画で行った対談の原稿の校正作業をする。武田力さん(俳優・伝統芸能アーカイバー)との対談。伝統芸能の保存や継承とアートや創作のことをめぐる対話。今年は、コロナで様々なフィールドワークを行う機会が激減したように思う。それでも、今月、帯広カムイトウウポポ保存会の練習を見学させていただき、さらには一緒に踊らせていただいたのは、非常に貴重な体験だったし、10月に竹野相撲甚句のリサーチをして、「オペラ双葉山 竹野の段」を創作できたことも大きかった。

 

本日は、「世界のしょうない音楽ワークショップ」オンラインの5回目。これまでの日本→ルーマニア→インド→インドネシアを振り返り、さらに前回の愉快なオリジナル「ケチャ」をみんなでやるウォーミングアップの後、本日のテーマは中国ということで、大阪音大の井口先生にスオナ(チャルメラ)を見せていただき、「知音(ちーいん)」という中国語が親友を意味し、その元になった3000年前の故事を教わり、さらにスオナの代わりにストロー笛を作って音を出し、さらに、3分損益法(中国古代の調律理論)まで説明してくださる。そして、グループに分かれて、それぞれの中国音楽を創作。五音音階とストロー笛を入れながら創作。グループに分かれているので、野村は、それぞれのブレイクアウトルームを覗きにまわるのだが、日本センチュリー交響楽団の楽団員がかなり積極的にワークショップのファシリテーションをしていて、そこに大阪音大の先生方も絶妙な感じで共同ファシリテーションをしていて、どのグループも野村が補佐する必要を感じないほど、いい雰囲気だった。昨年までは楽器を教えるという大きな体験があったけれども、今年はそれができない。その代わり、オンラインなので、瞬時に少人数のグループで別々の部屋に移れる良さがある。

 

ということで、本日が2020年の最終回。5回のワークショップを踏まえて野村が新曲を作曲し、来年には、みんなで演奏!世界を旅する新曲を書くのが楽しみだ。