野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

頭の体操と目の体操と、、、、

25年前からの友人ジョン・リチャーズとのオンラインワークショップ(「世界だじゃれ音Line音楽祭 Day3」開催!(令和2年12月19日) | アートアクセスあだち 音まち千住の縁)まで、1週間。20代の時に出会って、今、ぼくたちは50代になって、そして、イギリスのレスターと日本の京都から遠隔でワークショップをするなんて、ドキドキする。しかも、お互いに不慣れなオンラインで、Zoomを楽器だと思ってどんな遊びができるか試してみるとか、訳のわからない世界に踏み込むことを一緒にできるのが、めっちゃ嬉しい。年齢を重ねて保守的になる人もいる中、失敗しちゃうかもしれない実験を、いろいろやってみようという精神が嬉しいのだ。だから、参加者募集中だけど、参加する場合は、どうなっちゃうか分からないので、その分からない状況を楽しむつもりでご参加いただければ、本当に格別の時間になると思う。あー、ワクワク。この楽しみな気持ちを、どうやって宣伝すればいいのか。

 

ジョンとのスペシャルワークショップは1週間後だけれども、中川賢一さんとの超スペシャルな2台ピアノコンサート(中川賢一・野村誠 ピアノ・コンサート「愛と知のメシアン!!」 | 自主事業 | 愛知県芸術劇場)も、4週間切った。だから、今日もピアノを猛烈に練習した。練習と言っても、指の練習もあれば、頭の練習もあって、目の練習もある。単純に指がうまく回らないので、指に動きを覚えこませるのが、指の練習。一方、譜面に書いてあることを、目で見て頭で理解して、指に伝えているので、目と頭の体操みたいなところもある。特に、野村誠作曲の《音価と強度のまなざし》がなかなか厄介で苦戦中。これなんか、指の動きは問題ないのだけれども、楽譜に書かれた情報を理解して指に伝えるのが大変なのだ。

 

おかしいなぁ。学生だった30年前に、メシアンの《音価と強度のモード》という1音ずつ強弱や音の長さやアーティキュレーションが違うのが3声部に渡って書かれている厄介な曲を、ぼくは自主企画のコンサートで弾いたことがあるのだが、あの頃よりも頭の回転が鈍くなっているのだろうか?今は、記憶力が悪く覚えられない上に、左目が少し老眼になりかけ、姿勢によって譜面が見にくくなる。だから、頭の体操だけじゃなくて、目の体操もしなければいけない。視力回復エクササイズをやったり、エアコンで乾燥するのでドライアイ対策で目をマッサージしたり。。。。。。今日の課題は、頭と目だなぁ。

 

頭と目の体操に効果があるかどうか分からないが、本日も四股は1000回踏んだ。ストレッチもした。寒さに負けずに、血行をよくしようと、いろいろ運動もした。

 

本番に向けて、準備することがあるのは、大変有り難いことで、励みになる。楽しみにしているお客さんがいることも、すごい励みになる。と同時に、練習していると、二日前までの北海道での濃密な体験が蘇ってきて、この経験をピアノ曲として作曲したい、という気持ちが湧き上がってくる。Memu Earth Labで体感したことを、自宅のピアノで音楽に変換していくと、どのような音楽が生まれてくるのだろうか?それにも近々着手したいけど、もうしばらく熟成させておこう。

 

もう一つ、北海道で出会ったことは、アイヌの音楽と踊り。これを体験したことはとても大きなこと。家の本棚を見ると、Alison McQueen Tokita&David W. Hughes編の『The Ashgate research companion to Japanese Music』を開けると、第14章が千葉伸彦さんによる『The Music of the Ainu』だった。さっそく付属のCDをかけて、千葉さんの原稿を読み始める。どうして、ぼくは北海道に行く前に、これを読んでおかなかったんだろう?後悔先に立たず。とりあえず、今からできることをしよう。CDから聞こえてくるトンコリの音源を聴き、家にトンコリはないので、箏を同じように調弦してみる。平均律とは違うので、チューナーで計測してみて、チューニングをメモした後は、しばらく、箏で即興でなんちゃってトンコリをして遊ぶ。

 

ところで、以下の動画(カーゲル)の35分あたりからケンハモが登場するんだけど、打楽器奏者が担当している。打楽器奏者って、なんでもやるなぁ。すごいなぁ。

 

https://www.youtube.com/watch?v=AJn1b0H2WIE&feature=emb_logo