野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

鍵盤楽器の作曲ワークショップ

豊橋の劇場PLATの企画での賀茂小学校でのワークショップ2日目。本日は、3、4年生約25名と。コロナでなかなか子どもと接する機会が少ない中、貴重な機会なので、できるだけ野村もやったことないこと、野村が今取り組んでいる疑問を子どもにぶつけてみたいと思って過ごしている二日間。

 

先月のダンスワークショップでどんなことをしたのかを質問し、色々、うろ覚えのダンスをやってもらって、それに合わせて即興でピアノを弾いたり。その流れでラジオ体操第1を演奏すると、みんなでラジオ体操してくれて、寒い体育館で体があたたまる。ケンハモイントロダクションをして、その後、子どもたちに自由にケンハモ吹いてもらう自由時間。自由時間で気になった奏法をピックアップして、みんなでやってみる。

 

1 頭でケンハモ演奏

2 グリッサンド

3 ボタンの速押し奏法

4 できるだけたくさんの鍵盤を一度に

 

どれも25人で一斉にやると、すごいサウンドになって面白い。休憩を挟み、ピアノの弦を弾いたり、マレットで演奏したりする内部奏法を説明して後、北海道の芽武の浜辺の石の写真を楽譜に見たたて演奏してもらうグループ活動。スタートの石とゴールの石を決めて、双六のような楽譜になったグループ。大きい石と小さい石で、大きい石は一番高い音(ド)、小さい石は一番低い音(ファ)とやったグループも変拍子で面白い。最後には、全員一人ずつが音を出さずに指の形だけで選んで見つけた和音を25人分つないだ曲を合奏。一人1和音でのコード進行は、なかなか名曲になった。

 

楽器を片付け、校長先生にご挨拶の後、劇場に戻り、契約書など事務手続きを終えて後、京都に戻る。疲れていたのか、横になると2時間ほど眠ってしまった。「世阿弥の稽古哲学」という本と「世阿弥」という本を、時々、交互に少しずつ読んでいるが、世阿弥の子どもへの眼差しと、昨日と今日のワークショップのことを思い出す。正直、小学生と一緒に作曲する活動は面白い。アイディアが色々出てくるし、柔軟で、一緒に作っている感じになるから。こちらが課題にしていることがあると、それを突き詰めていける感じがある。今回は敢えて鍵盤楽器のみに限定して、今まであまり取り組んだことのないハーモニーのことをやったけど、もっと色々なアプローチでやれそうで、また機会があったら実践したいなぁ。

 

おつかれさま。