北斎バンドの公開収録が1週間後の9月6日。2010年は、葛飾北斎生誕250年だった。その年に、念願だった「野村誠×北斎」を行った。北斎と言えば、ドビュッシーの「海」の初版の表紙に北斎の絵が使われたことでも知られ、ドビュッシーの音楽にも影響を与えた。ぼくは、北斎が描いた楽器から江戸時代の音楽を想像した。その結果、生まれたのが北斎バンドだった。
北斎バンドは、北斎漫画に描かれた木琴、尺八、胡弓、琴の四重奏を起点に、木琴、尺八、イギル、箏という四重奏になった。胡弓は、イギルというトゥバ共和国の胡弓になったのは、尾引浩志さんと一緒にやりたかったからで、七絃琴ではなく十三弦箏になったのは、竹澤悦子さんと一緒にやりたかったからだ。木琴は、ぼくが最も信頼を寄せる音楽家の一人である片岡祐介さんで、尺八は現代音楽、ロック、古典まで多彩な元永拓さん。4人とも本当に素晴らしいメンバー。
北斎バンドとは、2015年にマレーシアのクチンとクアラルンプールに滞在して、コラボレーションをした。マレーシアのカムルル、タイのアナン、インドネシアのスボウォも加わってのコラボができたのも大きかった。マレーシアで1週間以上の時間を一緒に過ごしたので、この四重奏はお互いの理解も深めて、アンサンブルの濃度が高まった。ところが、それから5年間も北斎バンドで活動の機会が訪れなかった。
2010年3月 「野村誠×北斎」@アサヒアートスクエア(浅草)
2012年8月 「北斎漫画四重奏」@アサヒビールロビー(浅草)
2015年1月 「NOMURA MAKOTO work in progress」@Black Box MAP(クアラルンプール)
2020年9月 「すみゆめの七夕」@すみだリバーサイドホール(浅草)
ということで、満を持しての北斎バンド。本当に楽しみ。
Makoto Nomura - Work-in-Progress in Malaysia | The Japan Foundation, Kuala Lumpur
本日は、「四股1000」の後、ピアノをいっぱい弾いて、ちょっと作曲して後、里村さんとDIYを頑張って家の模様替えをして、相撲関係の書籍が大集合の棚ができて感激して後、写真家の草本さん、ジャーナリストの岡本さんを訪ね、語り合った。草本さんの9月の展示に向けて鋭意制作中の新作を見せていただき、いろいろ意見や感想を求められて濃厚なお話もして、ますます楽しみになる草本利枝展。