野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

北斎音楽、小布施公演

このブログでも、度々紹介し続けてきました「北斎音楽」の公演、無事終了いたしました。大阪、東京、長岡など、遠方からお越しのお客様も何人もいらしたようで、また、地元の小布施からも数多くのお客様のご来場がありまして、本当にありがとうございました。

2010年に墨田(東京)のアサヒアートスクエアで行った「野村誠×北斎」から、発展して、2011年の小布施(長野)の北斎ホールで「北斎音楽」を開催しました。

前回は、北斎の描いた四重奏の謎に焦点をあてたコンサートでしたが、今回は、北斎の描いた絵をテーマにした音楽ということで、それぞれの曲のキャラクターが、前回よりもクリアになったと思います。たった4点の絵だけでも、本当にキャラが異なります。その4作を描き分けれだけで、音楽性も全然違うものになりました。

北斎漫画四重奏曲」という7曲の組曲は、一応の完成に辿り着いたとも言えますし、新たな出発点に立ったような気もします。

例えば、お箏の音色、尺八の音色、イギルの音色、それぞれが持つザラザラ感のテイストに適した木琴の音色というのも、色々な可能性があるような気がします。例えば、アフリカのバラフォンのような木琴を入れる曲なんかもあっても良いかもしれません。実際に、インドネシアのガンバンと共演したりもできるかもしれません。木琴の音色に、まだまだ工夫ができそうな気がしました。

また、「木琴の謎」について、コンサートの中で、ぼくがトークをしたのですが、「木琴の謎」というようなタイトルの弾き語りの曲を作ってしまうのも、できそうな気がします。

また、北斎の描いた四重奏を起点に発想していますが、逆に、そこに縛られて不自由になるのでは意味がないので、この四重奏にピアノを加えた5重奏をやってみるとか、箏を三味線に持ち替えるとか、色んな試みは、まだまだ、できそうな気がします。

そんな風に思えるのも、元永拓さん(尺八)、竹澤悦子さん(箏)、尾引浩志さん(イギル)、片岡祐介さん(木琴)という4人が、素晴らしい演奏家だからです。

みなさま、おつかれさまでした。ご来場の皆様、関係者の皆様、どうもありがとうございました。