野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

相撲の曲と隅田川の歌

一ノ矢さん(高砂部屋マネージャー)が、雑誌の連載で、新作地歌「初代高砂浦五郎」のことを書いてくださることになり、原稿が届く。創作にいたる経緯や、実際に野村とのやりとりなども含めて書いてくださっていて、光栄だ。今日から大相撲が開催。abema TVで配信をしているので、序二段や三段目を見る/聞く。

 

午前中は、現在作曲中の「世界をしずめる 踏歌 戸島美喜夫へ」の譜面をプリントアウトして、推敲作業。推敲しているうちに、一つ音を変えると、どんどん音楽が変容していく。

 

午後は、すみゆめのオンラインワークショップ。14時からの回は、「相撲とカラダのリズムを奏でる」というテーマで、架空の相撲太鼓を創作し、そこにラレミファの4音のみでのメロディーを創作。時間が余ったので、不思議なコード進行もつくった。「鼓真夜中雨上がり」という曲。16時からの回は、「隅田川のうたを作る」がテーマ。たまたま琉球音階に調律されたカリンバを持ってきていた人がいたから、沖縄音階の歌になる。歌詞は、「す」「み」「だ」「が」「わ」の5文字だけを使ったもの。いい曲ができた。先週と今週と4回にかけてズームでワークショップをやった。遠隔で音楽をする困難さも楽しさも、だいぶ慣れてきている。3ヶ月前は初体験だったのに。

 

夜は、問題行動トリオの打ち合わせ。十和田市現代美術館での今後のリサーチや展開について語り合う。問題行動マガジンに「困ったレシピ」を連載中の佐久間さんが遠隔で料理をして、味覚をリモート体験できるのか、というような話から、実際にぼくと里村さんがチョコを食べて、パソコンの画面の向こうの佐久間さんがどのように味を味わえるのか、というコミュニケーションの可能性と不可能性の間で、佐久間さんの絶望と希望の話を聞き、微かなサインを受信してコミュニケーションにつなげていく発想の根幹に触れた時間。

 

こまったレシピ – 問題行動マガジン