野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

香港への祈り

朝、あまりの暑さで目が覚めて以降、寝付けず、本を読む。先日の久しぶりの東京遠征の新幹線車内で読んでいたImogen Holst著《Gustab Holst - A biography》 の残りを読んで読了。遠出すると、電車の中で何時間も本が読めるけれども、ステイホームだと、家で様々な雑用が出てきたり、作曲や楽器に時間をとりたくなるので、新型コロナウイルスの登場で読書の時間が減った気がする。ホルストという作曲家については、「惑星」の作曲家としてのイメージが強いが、合唱曲をたくさん書いているし、アマチュアの音楽活動に随分貢献しているし、若い頃にサンスクリット語を勉強したり、いろいろ知らなかったホルストを知ることができてよかった。チェコを訪ねた際には、四分音で知られる作曲家のハーバと会ったりもしている。フルートとオーボエヴィオラのための「Terzetto」では、3つの調性が混在する。

 

www.youtube.com

香港のAgnes Chowさんらが逮捕されたニュース。香港には2018年に3ヶ月住んだし、たくさん友人がいる。今年の6月4日(天安門事件から31年の日)に弾いたピアノソロの録音を聴く。あの日、香港と中国の民主主義を祈って弾いたピアノを聴き直す。

Makoto Nomura Pray On 4th June by cccd hk | Free Listening on SoundCloud

 

sound pocketは、雨傘革命のデモを音でアーカイブしたCDを作った。CCCDを主宰するモックさんから、6月4日に天安門事件を思うイベントをウェブ上でやるから音源を送ってくれと言われて、今年の6月は、祈りのピアノ曲を即興で弾いて送った。31年前、中国の天安門で中国の民主化を実現しようとした学生たちが中国政府に武力で鎮圧された。あの時に民主化できていたら、と思いながら、31年経って、天安門の悲劇が香港にも飛び火したかのように続いている。どのタイミングで中国共産党の一党支配を卒業することができるのだろう?

 

久しぶりに自宅から参加する「四股1000」。村上春樹がだじゃれまみれの本も書いていたこと(「村上かるた うさぎおいしいフランス人」)を知ったり。

 

午後は、今週末の「こどもアートサーカス」へ向けての作業。古国府さんのアニメワークショップによるアニメに音をつけるレコーディングも今週末。ワークショップ講師を務める音楽家たちから、次々に寄せられるアイディアに全部目を通し、それを整理して、レコーディングの進め方の見通しを立てる。ハープと打楽器とピアノとケンハモと歌とエレクトロニクスを、いろいろ分配。その後、中川賢一さんと「こどもアートサーカス」の打ち合わせ。