野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Remote Tanabata 2020

昨日の「初代高砂浦五郎」の世界初演の興奮が醒めやらず。2月以降、作曲した曲がなかなか演奏されなかったが、ここにきて演奏されるようになり、ついには生で世界初演を聞けて、しかも、それが最高の演奏だった。

 

とにかく、今年に入ってから作曲した曲は、演奏されなかったか、観客なしでオンライン配信かのどちらかで、観客ありで上演されることは、昨日まで一切なかった。

 

1月に作曲した「帰ってきた千住の1010人」→5月の演奏会が延期→そのままの形での初演を断念し、現在、オンラインを活用する新バージョンを構想中

2月に作曲した「迷惑な反復コーキョー曲 Beethoven 250」→無観客コンサートで世界初演

2月に作曲した「祇園精舎の宿題の」→3月の演奏会がキャンセル→演奏予定未定

3月に作曲した「メシアンゲーム」→4月の演奏会が来年1月に延期

4月に作曲した「Apples in the Dark or in Light」→オンラインで初演

4月に作曲した「おっさん姉妹のために」→おっさん姉妹によりオンラインで初演予定

5月に作曲した「ハイドン盆栽」、「ホルスト盆栽」→オンライン「ハイドン大学」でオンライン世界初演

6月に作曲した「I am Jacsha. You are Bacsha.」→ツイッター世界初演

 

とは言え、これだけオンラインで作品を発表できていること自体、自分の環境に感謝なのだが、それにして、観客ありで新作が世界初演されたのに立ち合ったのは、昨年11月に作曲した「相撲ノオト」が今年の2月に會田瑞樹ヴィブラフォンリサイタルで演奏されて以来で半年ぶり。新曲の世界初演に生で立ち会えるのは、本当に嬉しかったのだ、と改めて思った。

 

半年ぶりの大喜びに、今日1日浸っていたかったのだけど、北斎バンドのための新曲を今日中に書き上げたい。明日には、「あやしいサーカス団」の作曲作業に着手したいので。ということで、昨日の余韻に浸りたいのを我慢して、北斎バンドの新曲の作業を続けた。ということで、昨日は、どっぷり三味線だったのに、今日は、箏と尺八と木琴とイギル。最後まで書き上げ、「Remote Tanabata 2020」というタイトルにして、推敲の後、譜面を北斎バンドのメンバーに送る。9月6日の演奏会が、またまた楽しみ。