野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ホルストガーデンとハイドン盆栽

朝から四股1000回を踏む。

 

昨日、完成した「ホルスト盆栽」のタイトルを改め、「ホルストガーデン」

とすることに。ホルストの「シャコンヌ」と「ホルストガーデン」をピアノで練習。近々開催されるかもしれない「ハイドン大學」で発表の予定。

 

ホルストの「シャコンヌ」の編曲と、「ホルストガーデン」の作曲が完了したので、「ハイドン盆栽」の作曲に取り組む。本日は、ハイドン交響曲97番の第1楽章の本当に変な推移部の部分を取り出して、ハイドンそのままの前半と、ハイドンの曲をメシアン風にした後半による「ハイドン盆栽 第7番」を作曲。交響曲93番の第3楽章のトリオの部分が、あまりにもバカバカしすぎて、これも「ハイドン盆栽」にしたい。交響曲第95番の第1楽章の冒頭も、とっても変なので「ハイドン盆栽」にしようと思う。ということで、「ハイドン大學」では、

 

ホルスト作曲/野村誠編曲 「シャコンヌ

野村誠作曲 「ホルストガーデン」

野村誠作曲 「ハイドン盆栽 第7番/第8番/第9番」 

 

をレクチャー付き世界初演する予定。「ハイドン大學」の開催がいつどのような形になるかは、近々、お知らせできる予定。通常は、作曲したい時にずっと家に引きこもっていることが多いのだが、今回は、パンデミックのために家に引きこもっている。引きこもったからといって、作曲したくなるわけではないようだ。全然、作曲したい気分にならなかったので、文献調査ばかりしていた。昨日あたりから、ようやく作曲したい気分になってきたので、これから、作曲がはかどっていきそうな予感。

 

問題行動マガジンのオンライン編集会議。編集長の里村さんとダンサーの砂連尾さん、佐久間さんと。そして、久しぶりに遠隔での即興セッションを行った。このオンライン遠隔セッションにだんだん馴染んできたところがあり、毎回、新たな展開があり、これらを撮り貯めている。

 

Adrian Thomas著の《Polish Music since Szymanowski》を読んでいる。ルトスワフスキとジグムント・クラウゼの作品には大きく影響を受けたのだが、それでもポーランドの作曲家については、本当に無知だったので、こんな作曲家がいたのかとか、こんな作品があったのかと出会いも多く楽しい。今は、1950年頃の戦後の社会主義リアリズムが始まる頃のところを読んでいる。才能溢れる作曲家でポーランドの若手のリーダー的存在だったパヌフニクは、自身の作風と社会主義リアリズム路線が噛み合わず、規制に苦労する(だから、彼はほどなくイギリスに亡命する)。パヌフニクと同世代の作曲家ルトスワフスキは、ラジオ局のための仕事、子どものための作品の作曲などという形で、社会主義リアリズムに適応しようとする。作曲家のGrażyna Bacewiczは、ヴァイオリニストとしても非常に活躍した上、フランス留学の影響での新古典主義的な作風が、社会主義リアリズムのニーズに合致して、次々に協奏曲や交響曲を量産する。ある意味、彼女の場合は、社会主義リアリズムになったことで、活躍の場が増したのかもしれない。彼女の「弦楽オーケストラのための協奏曲」も、そうした時期の力強い作品。そして、自身がヴァイオリニストだったために、本当に弦楽器が生き生きとした音楽だ。

 

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