野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

十和田のミーティング

作曲した「ホルスト盆栽」をピアノで弾いている。これは、近々開催される予定の「ハイドン大學」のレクチャーの中で演奏する予定。しかし、盆栽というほどの小品でもないので、タイトルは違うなぁと思い始めた。

 

今日も四股を1000回踏んだ。2週間以上も四股1000回が続いている。このためか、香港のことを文章にまとめようと思っていたのに、相撲のリサーチばかりをする日常になり、最近は平安時代相撲節会の音楽のことばかり調べていた。気持ちを香港にも向けようと、香港の本について紹介することにした。

 

Simon Chow
《雨傘見聞録 Umbrella Chronicle》

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香港での2014年の雨傘運動について。香港のデモの様子を、ニュースなどを通して想像する。でも、ニュースなどの報道で削ぎ落とされる現場にいないと伝わってこない空気感があるはずだ。学生たちは、どんな気持ちでデモをしているのだろう?どんなテンションで過ごしているのだろう?その場に何があって、何が足りないのだろう?もし、ぼくがそこにいたら、一体、何を感じるのだろう?

この本は、そうしたデモの現場や舞台裏の空気感を、イラストと短い文章で、記録した本。デモの外からは見えてこないけれども、デモの中にいるからこそ見えてくる風景。表には出てこないトイレだったり、休憩所だったり、そうしたなかでのちょっとした工夫だったり、そうした様々な風景が描かれている。人々の様々な表情が描かれている。

それと、CDも紹介したい。

DAY AFTER 翌日
2014.09.29-12.12
soundpocket

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こちらは、雨傘運動のフィールドレコーディングCD。デモの様子を音で伝えるもの。デモの音を聞くことで感じられることもある。

 

十和田市現代美術館インタープレイ展の出品作家関係者と美術館スタッフで、オンラインのミーティングをした。青森の様子、東京の様子、美術館の様子、各作家の作業の進捗具合、展覧会の会期延期の見通しなどを話していると、2時間くらいの時間が経ち、そこから、急激に面白い話がコロコロ転がり始めて、忙しい人は残念そうに退室されていき、結局、最後は柔軟体操しながら話したり、ピアノやダンスも登場したりもして、合計4時間くらいの話し合いになった。このパンデミックな状況の中で、それぞれのアーティストが何を思っていたり、どんな日常を過ごしていたり、という声を聞くことは、世界の見え方や聞こえ方が全然変わってくる時間だった。そして、また、こうした雑談会をしましょう、ということになって、4時間後に閉会した。展覧会のオープニングパーティーなどで出会って話すのとは、また違った形で、こんな雑談会が持てたのは、大きかった。

 

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