野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

佐久間徹さんのインタビュー(再び)

体調が回復してきた。本日は四股1000回に完全復帰。1000回を踏むことができ、庭仕事などもできて、体を動かすのが楽しい。庭で野菜を育てて、古典音楽の盆栽化を楽しむ暮らし。作曲も演劇も似ている。「盆栽シリーズ」のコンセプトは、大編成で何十分もあるクラシック音楽交響曲のエッセンスを、コンパクトに歪めて1−2分のピアノ曲にすること。作曲した「ハイドン盆栽 第7番」、「ハイドン盆栽 第8番」、「ハイドン盆栽 第9番」、「ホルスト盆栽」と、編曲したホルストの「シャコンヌ」の5曲を練習し、楽譜を推敲する。

 

数日前に、四股1000回の集いで、ソプラノ歌手の工藤あかねさんが、100カウントするのに、1940年代から1990年代のオペラ作品の50タイトルとその作曲家を連呼された。「オペラ双葉山」というプロジェクトを進行中なのに、オペラをあまり見る機会もないので、ステイホームの今こそ、オペラの動画をネット上でいろいろ探して、演出や美術など参考にしようと思う。

 

とりあえず、ショスタコーヴィッチの「鼻」を見てみる。イギリスのロイヤルオペラハウスの英語翻訳上演を見たが、ユーモラスな演出と美術で、楽しかった。鼻が一人歩きしたり、鼻がタップダンスしたり、バラライカも出てくるし、打楽器も大活躍。若干21歳で書いた作品だと思って聴くと、この作曲家のとてつもない才能を思い知らされる。冒頭で髭剃りのシーンから始まるのは、ベルクの「ヴォツェック」のパロディなのかな。

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この早熟な作曲家が社会主義リアリズム政策の影響を受けずに、そのまま才能を伸びていったら、どんな音楽家になっていっていたのだろう、とも思う。社会主義リアリズムに限らず、抑圧というのは色々あるものだが、こうした抑圧に抗うエネルギーを持ち続ける人が、少なからずいる。心理学者の佐久間徹さんもそうした一人。問題行動マガジンのインタビューシリーズの第1回として、佐久間徹さんにインタビューをお願いしたが、本日、インタビューの続きを敢行。編集長の里村真理さんの質問に熱く答える佐久間徹さんは、80代半ばとは思えない力強い言葉と態度。何かその言葉を聞いているだけで、高揚させられ触発される。そう言えば、先日、ロンドンの作曲家マイケル・パーソンズ(彼は81歳だ)とメールをした時に、作曲家クリスチャン・ウォルフは現在86歳だが、今でもアクティブに活動していると言っていた。こうした先輩たちには、理屈をこえて、なんだか勇気づけられる。インタビューの内容は、近々、公開予定。

 

ワルシャワガムラングループが遠隔多重録音で共演した音源がPolskie Radioで紹介された。パンデミックの中、会えない環境で、いろいろ模索する人々がいる。ちなみに、彼女たちの自宅ガムラン音源は、サウンドクラウドで聴けるようです。

 

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