野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

日帰り東京遠征

本日は、日帰りで東京遠征。3連休の最終日にしては、新幹線の自由席に空席も多く、隣が空席で広々と座れた。新型コロナウイルス の影響なのだろう。

 

4月12日の名古屋でのコンサートの曲目解説を昨日書いて送ったのだが、ピアニストとして出演もするので、出演者としてのコメントも書かなければいけなかったので、慌てて車内で執筆。

 

さて、この4月12日のコンサートで世界初演する予定の新曲「メシアン・ゲーム」は、観客参加型の作品だが、当初想定していた観客参加の中に、声を出すものが入っていた。これを、新型コロナウイルス 感染防止対策の特別バージョンに編曲し、観客の安全性を保ちつつ、曲としても面白く発展させようと思って構想中。

 

東京に着く。東京は京都よりも一足早く桜が開花してきている感じで、春の訪れを強く感じる。花粉もいっぱい飛んでいるようで、マスクの人が異様に多い。

 

東京藝術大学の千住キャンパスにて、「千住だじゃれ音楽祭」のミーティング。「千住の1010人 in 2020年」の開催についての話し合いと、今後の進め方の話。詳細は、近々、公式発表が出る予定。

 

本日は、「千住の1010人 in 2020年」に向けての公開練習会の第1回の予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、中止。「だじゃれ音楽研究会」など関係者を中心とした少人数での集まりをして、今後の進め方について話し合った。新型コロナウイルスの影響で、既に数多くのコンサートやイベントが、中止になったり、延期になったりしている。ぼくたちも、様々な決断をするべき時にいる。そして、先が見えない状況の中、柔軟に対応していく柔らかい企画、柔らかいマネジメントを求められる。ぼくたちは、試されているのだ。頭を柔らかくして、様々な状況を想定して、臨機応変に対応できる即興性と柔軟性のある企画をできるのか、と。何年も前から計画して準備してきたからこそ、それを計画通りに全て達成したいとも思う。苦労して準備してきたスタッフや仲間たちのことを思うと、その苦労を如何に水の泡にしないことができるか、を考える。そして、今日、みんなで集まって話していると、本当に、何が起ころうと、どんな事態になろうと、苦労が水の泡なんてことは、あり得ないと思った。ここに集っている人たちとの繋がり、ネットワーク、こうした関係が築けていることは、本当に何にも増して強い成果だ。だから、この人たちと一緒に、これから企画を進めていく上で、どんな変更があろうとなかろうと、一緒に悩みながら、ああでもない、こうでもないと言いながら、一歩一歩進んでいくこと。それができれば、何も怖いものはない。そう思える時間だった。みんな、ありがとう。

 

そして、即興で演奏した。今日は、吹く楽器がNGとしたので、鍵盤ハーモニカをやりたい人が、みんな打楽器になった。トランペットもフルートも封印されて、打楽器アンサンブルに、コントラバスやピアノが入った。ジャズのピアノトリオの定番は、ピアノとウッドベースとドラムの3人だが、今日のアンサンブルは、このドラムがたくさんになった感じで、この編成も面白いなぁ、と思った。

 

そして、打楽器たくさんが面白かったので、メメット 作曲の「Rock Sing」を石ではなく、タンバリンなどの打楽器だけで合奏してみた。やってみると、これは本当に面白い曲だ。この曲の1010人での上演を実現するまでに、まだ様々なハードルがある。そのハードルを丁寧に超えていきたいと思わせる魅力溢れる音楽だった。

 

色々な交流の後、新幹線で京都に戻る。帰りの車内で、「千住の1010人 in 2020年」の今後についてのメッセージ文の作文をしてほしいと、宿題をもらったので、作文した。今日の交流した時間がとても良かったので、スムーズに文章を書くことができた。この作文は、近々公開になる予定。

 

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