野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ベートーヴェンと野村誠

5日前に、Dave Brubeckについては、「Take Five」くらいしか知らなかったと書いたのだが、作曲したのはブルーベックではなく、Dave Brubeck Quartetでサックスを吹いていたPaul Desmondだったことに、またまた今ごろになって気づく。

 

「音楽の根っこ」の表紙の最新バージョンが届く。色々な注文したことが反映されて、時間が許せばやってほしいとリクエストした著者の名前の文字の一部を楽器にするのも、〆切間際にやっていただいている。デザイナーの和田さんに、大感謝。ハンドブックという名称だけど、ハンドブックという概念を超えているような表紙になった。オーケストラというけど、オーケストラという枠組みを逸脱しているような表紙になった。ゴチャゴチャしそうな様々な要素が一緒にありながら、でも、お互いに殺し合わずに生かし合う表紙になった。嬉しい。あとは、最終校を待つばかり。

 

3月28日に演奏する野村の新曲「迷惑な反復コーキョー曲  Beethoven 250」を練習しているのだが、今日は、曲の演奏時間をチェックすべく、ピアノパートを通して演奏してみたところ、約15分だった。ベートーヴェンの生誕250年で、ベートーヴェン交響曲第七番を題材に作曲した。改めてベートーヴェンを聞き返すと、ドドレミファソラシドレミファソラシドとか、ドドシララソファファミレーとか、順番にやるの大好きで、自閉症の人で順番に鍵盤鳴らすのが大好きなのと、とっても似ている。そして、そうした体験をもとに、都城の障害者施設で、ベートーヴェンの主題を弾きながら、知的障害の人々と即興音楽をしたら、ベートーヴェンのシンプルさが、本当にわかった気がした。これは、参加するための音楽なんだ、と。そんなことを思いながら作曲した「迷惑な反復コーキョー曲  Beethoven 250」は、予想外に美しい曲になった。それは、ベートーヴェンがオーケストラのために書いた題材を、アコーディオンとピアノのために野村が書いたら、同じ主題を使っているのに、こんなテイストになるんだなぁ、という感じ。ベートーヴェンの生誕250年を、このように祝えるのは嬉しい。

 

京都は、春の兆しがしてきたので、散歩を楽しんだ。神社もいいし、カフェもいい。

 

そして、いよいよ校正祭りも大詰め。明日の昼には、印刷入稿。