野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

クラシックジャズチャンプルーのリハ

本日は、大阪へ。来週の名古屋のコンサートに向けて、北口大輔くん、鈴木潤さんとリハーサル。北口くんは、日本センチュリー交響楽団の首席チェロ奏者で、クラシック音楽はもちろん、ジャズもボサノバも堪能で、即興もするし、作曲/編曲もする音楽の申し子。演奏が素晴らしいだけでなく人柄もよい。潤さんは、レゲエやダンスミュージックのキーボーディストで、こんなにノリよくピアノを弾く人がいるだろうかというリズム感の持ち主で根っからの演奏家なのだが、実は作曲も名作が多く、語ると名言が多く、笑いの神もついている天然キャラでもある。この二人と音楽ができることは、音楽家としては贅沢な体験である。

 

北口大輔がチェロリサイタルするかと思いきや・・・野村と鈴木が乱入してみた!ークラシックジャズチャンプルー | アッセンブリッジ・ナゴヤ│Assembridge NAGOYA

 

さて、リハーサルで、野村誠作曲《Beethoven 250 "迷惑な反復コーキョー曲"》をみっちりリハーサルした。今年はベートーヴェン生誕250年で、ベートーヴェンのメロディーを使いまくりの曲だけど、ベートーヴェンとは全然違うテイストの音楽を作曲した。本日、チェロ+鍵盤ハーモニカ+ピアノ版、初めて音を出したが、感動。チェロとケンハモって、こんなに合うんだなぁ。

 

あと、今年はジャズピアニストのDave Brubeck生誕100年なので、《テイクファイブ》もリハーサル。今日は、行きの電車の車内でもPhilip Clark著『DAVE BRUBECK a life in time』を読んでいて、400ページある本も330ページほどまで来て大詰めなところで、ブルーベックのお母さんの話が出てきた。ブルーベックのお母さんは、コンサートピアニストを目指していて、ショパンとかベートーヴェンとか弾いていて、ヘンリー・カウエルのレクチャーにも出席していた。これを読んで、おったまげた。ヘンリー・カウエルという当時の超前衛作曲家のレクチャーに、デイブ・ブルーベックのお母さんは参加していたのか!

 

他にも潤さんのオリジナル曲、北口くんの新曲《ノーモア・ブラームス》、ボサノバなど、ノリノリのプログラム。あっという間の3時間だった。

 

ウェブマガジン「問題行動マガジン」に長らく原稿を書いていなかったので、「評価不能」を執筆。1994−95年のイギリス留学中に、ジョン・ペインター教授から「評価不能」と報告されたエピソード。近々、公開予定。

 

夜は、だじゃ研(=だじゃれ音楽研究会)と、11月28日の「世界だじゃれ音Line音楽祭 Day2」に向けて、鍵盤ハーモニカのリモート合奏で、新曲「ケンハモや 黒う白っと 秋の虫」を演奏。ZOOMは音質がローファイだけれども、それでも面白い音楽ができる。

 

インドネシア出身のロンドン在住ガムラン作曲家のアリスから、野村のガムラン作品レクチャー動画を公開したい、と連絡が来る。コロナ禍で、世界中で、ネット上にコンテンツを作って発信するようになっている。本当に2020年は物理的移動もできなくなり分断されたようだけれども、逆に接触しない接触は増えた年だなぁ。この一年で徐々に実り始めている手応えを感じる。