野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

時の終わりのためのオールド・ラング・サイン

色々な本を乱読するタイプなのだが、Philip Clark著「DAVE BRUBECK   a life in time」という今年の2月にDa Capo Press出た本を購入し、時々、読んでいる。今年はベートーヴェン生誕250年であるだけでなく、デイヴ・ブルーベック生誕100年だ。しかし、デイヴ・ブルーベックについては、あの有名な「Take Five」以外に、ほとんど何も知らない。この変拍子大好きジャズピアニストについて、いろいろ勉強するいい機会にしたい、と思って読み始める。同じ1920年生まれのチャーリー・パーカーが1955年没であるのに対し、ブルーベックは2012年、91歳まで生きていた。だから、この本は、2003年の場面から始まり、そこから1953年に50年タイムスリップする。しばらく、この本をお供に、デイヴ・ブルーベックの音源を色々聞いてみようと思う。

 

facebookの投稿を見ていると、外出できないイタリア人たちが、ベランダで大合唱したり、楽器を奏でたりする動画が、次々にシェアされている。イタリア人のパワーがすごいなぁ。

 

さて、今日あたりから「音楽の根っこ」の校正作業(2校)に突入するはずが、スケジュールが押しているようなので、先に、作曲にとりかかる。メシアンの「時の終わりのための四重奏曲」という曲がある。スコットランド民謡に「オールド・ラング・サイン」という曲があり、それは日本では「蛍の光」として知られている。オールド・ラング・サインは、auld lang syneで、英語にするとold long sinceということになるらしく、これも長い時間を表す言葉。だから、メシアンが永遠とか時の終わりと言うことと、オールド・ラング・サインの時間が結びつき、新曲「時の終わりのためのオールド・ラング・サイン」を作曲。これは、アンコール・ピースとして作曲を依頼されたものなので、どこで初演するかは内緒。

 

日本センチュリー交響楽団有志によるWeb concertのvol.2が公開された。ネコが大活躍。組織に属する人間たちが、組織の決定に従って動くだけでなく、組織の決定を待たずに、自発的に個人個人が動いた結果、こうした有志によるウェブコンサートが始まったのだと思う。それは、小さな試みと思われるかもしれないけれども、オーケストラという組織を考える上で、その構成員の一人ひとりが組織を動かしていく、大切なことだと思う。

 

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