野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

大相撲を聞く だじゃ研は自走する

本日は、大田智美アコーディオンリサイタルの予定でしたが、1年後の2021年3月9日に延期になったため、東京に出張するのを取りやめた。2009年にドイツで初演された野村誠作曲の「アコーディオン協奏曲」の日本初演も、来年に持ち越し。すごく楽しみだったのだけど、楽しみは一年後にとっておこう。

 

大相撲の無観客開催がabema TVで鑑賞できるので、「音楽の根っこ オーケストラと考えたワークショップ・ハンドブック」の校正作業を続けながら、BGMとして聞いていた。15時前後の十両の取組では、邦夫さんの呼び上げもしっかり聞けるし、木村朝之助さんの行司の声もよく聞こえる。通常は、観客席のざわめきにマスキングされる微かな音が聞こえる。幕内土俵入りでは、拍手や歓声がないので、儀式感が通常よりも強く感じられる。横綱土俵入りで、行司が「しー」という声まで、はっきり聞こえる。今場所は特別な体験だ。大相撲を聞きながら、校正作業がひと段落。炎鵬ー豊山の取組は、とってもハイドンだった。鶴見幸代と相撲の取組を音楽で解説するシリーズやりたいなぁ。朝乃山は、大関にむけて幸先のいい3連勝。

 

 CINRAのインタビューの校正作業に入る。だじゃれ音楽祭に関するインタビュー。今日は、だじゃ研(=だじゃれ音楽研究会)が高田純次のテレビ番組に出たらしい。野村がいなくても活躍するだじゃ研が素晴らしいなぁ。2011年に、「音まち千住の縁」が始まった時、大友良英さんが「チーム・アンサンブルズ」という企画/運営できるバンドのようなチームをつくっていた。

 

世界的に活躍する大友良英と、さまざまな人の関わりで成長するプロジェクト。 まちの人・もの・場所を最大限に活かしながら、従来の形とは異なる音楽のイベントや音の展示を展開します。 バンドを組むように、企画の段階から関わってくれる「チーム・アンサンブルズ」を組んで、 まち歩きや会議を行いながら今後どんなことをやっていくのか、枠組みからチームメンバーと一緒に考えていきます。 千住で生まれ成長するプロジェクトに参加してください。

 

ぼくは、そういうチームを結成しようと思っていたわけでもなかった。なのに、知らないうちに、だじゃ研ができていた。千住では、大友さんの「チーム・アンサンブルズ」は数年活動して、今はない。でも、ある意味、「チーム・アンサンブルズ」の役目も、いつの間にか、だじゃ研が引き継いでいる。すごいなぁ。だじゃ研は、いつまで続いていくのだろう?どんどん、野村の手を離れて一人歩きしているので、22世紀になっても継続し、数百年くらい続いていってしまうのかもしれない。実は、最もサステイナブルなプロジェクトになるのかもしれない。そんな予感がした。うーむ、すごい。