野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

6年前の岩槻に実はあった

宮崎での『邦楽と相撲』公演は、大成功だった。

 

個人プレイのことと、チームプレイのことを考えた。相撲というのは、個人競技。サッカーとか野球とかのように、チームで対戦する競技とは違い、個人と個人の対戦になる。オーケストラは、個人プレイよりチームプレイが重んじられる音楽形態だと思う。

 

打楽器の神田佳子さん、地歌三味線の竹澤悦子さん、相撲探求家の一ノ矢さん。それぞれが唯一無二で、ソロで成立する存在感を持っている。

 

相撲というのは、個人プレイなのだけれども、同時に、部屋で共同生活を送ったり、行司さんと力士で息を合わせて立ち合いをしたり、協働性も非常に強く、その両面があるところが面白い。

 

今日の公演も、そうだった。それぞれがソロで個人プレイをしているのに、一つの公演を作るべく、協力し合っている。協力するために足並みを揃えるのではなく、お互いの個性を出しまくりながら協力していく。

 

そして、この素敵な公演を6年前に予言できただろうか?神田さん一ノ矢さんと6年前に町中を巡った「JACSHA土俵祭りin 岩槻」。この時に、竹澤悦子さんが初めて、鶴見さんや一ノ矢さんに出会ったのだった。当時さいたまトリエンナーレのディレクターチームの里村真理さんと連日深夜まで打ち合わせしまくった末の企画だった。さいトリやってよかったなぁ。

 

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そうやって、岩槻を思い出しながら、都城に移動。空き時間に都城市立図書館に行き、都城相撲甚句について調査すると、またまた貴重な資料が見つかった。そして、都城に石山花相撲というのがあって、そこで行われる子どもの土俵入りが、岩槻の「子ども古式土俵入り」と似ていてびっくり。

 

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塔本シスコの絵にも描かれる十五夜綱引は、南九州に多く見られ、相撲と密接に結びついている。

 

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6年前に、さいたまトリエンナーレで綱引の綱で土俵入りをした時、全く想像もしなかったけど、なぜか都城と岩槻がつながりだしている。

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元力士の安寿さんの経営するちゃんこ屋さんに行って、いろいろお話もできた。