野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

徹夜の音楽会2に向けて

昨夜、新田一郎著の「相撲 その歴史と技法」を読了。寝る前に少しだけ読むのが、毎晩の楽しみだった。この本で圧倒的に面白かったのが、アマチュア相撲が相撲の技法に大きな変革をもたらす可能性だ。大相撲は人種としては国際化しているが、入門して徹底して大相撲の身体技法を叩き込まれるので、技法としては、多様化していない。ところが、アマチュア相撲の国際大会では、ロシアやヨーロッパなどの選手が、レスリングなど相撲とは違う身体技法を取り入れてきて、相撲が技法の上で国際化、多様化している。また、階級別大会、マットの土俵、女子相撲などで、従来の大相撲では有効でない身体技法が効果的であることがあり、相撲の技法が別の進化を遂げる可能性を示唆している。文化的な鑑賞技芸である「大相撲」、各地に伝承される「神事相撲」、そしてスポーツとしての「アマチュア相撲」。この3つの相撲について考える上でも、大変面白い本だった。そして、今までは、大相撲と神事相撲にしか興味がなかったのだが、アマチュア相撲に強く興味を持つようになった。

 

さて、そんな相撲への思いを抱きながら、大阪の谷町9丁目へ行く。高砂部屋マネージャーで元力士の一ノ矢さんと、ながらの座・座の橋本敏子さん、日本相撲聞芸術作曲家協議会の制作の里村真理さんと打ち合わせ。6月21日ー22日に開催の「徹夜の音楽会2」に向けて。高砂部屋創始者である(初代)高砂浦五郎高砂は、能の「高砂」から来ているらしく、現在、高砂浦五郎についてリサーチ中で、地歌箏曲家の竹澤悦子さんが三味線で弾き語りをする新作を、一ノ矢さん作詞、野村作曲でつくる構想もある。「徹夜の音楽会2」では、四股に、ちゃんこに、トークに、相撲甚句、きっと様々に一ノ矢さんとのコラボレートが実現するに違いない。井上信太くんと一ノ矢さんの絡みがどうなるかも、楽しみだ。10月の城崎国際アートセンターでのレジデンスでは、一ノ矢さんの大相撲の相撲甚句と竹野相撲甚句の出会いも楽しみ。

 

その後、橋本さん、里村さんと、「徹夜の音楽会2」についての打ち合わせ。フライヤーを作らなければならないので、運営面、内容面ともに、いろいろ面白いこと、モヤモヤすること、大変なことなど、いろいろ出てくる。喫茶店の店主に迷惑がられるまで熱弁をふるっている熱い議論は、水入りとなり、また仕切り直し。

 

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